マルハニチロの2021年3月期の連結決算は、売上高8,626億円(前期比4.7%減)、営業利益162億円(同5.1%減)、経常利益181億円(同8.9%減)と減収減益であった。グループ全体の売上高の49%を占める商事セグメントでは、水産商事ユニットが新型コロナウイルスの影響から外食・業務筋向けの販売不振で減収となったものの、マグロやホタテ等主要魚種の利益率改善に加え、量販店・宅配向け等の好調チャネルへの販売シフトにより増益。荷受ユニットは活魚や近海鮮魚などの外食・業務筋向けの高級商材の販売不振により、減収減益。畜産商事ユニットは全取扱品目において増収となったものの、輸入豚肉の国内販売価格下落等により減益。セグメント全体で減収減益となった。また、全体の売上高の26%を占める加工セグメントでは、業務用食品が外食向け販売が苦戦し減収減益となったが、家庭用冷凍食品が主力の米飯・麺・中華等の売上が増加し増収増益。家庭用加工食品も減収となったものの、収益改善効果により増益を達成。セグメント全体では減収ながら増益となった。2021年度は、長期経営ビジョンの実現に向けた最初の4年間と位置付けた中期経営計画「Innovation toward 2021」の最終年度となる。その基本方針である「企業価値向上と持続的成長」の実現に向け、「収益力のさらなる向上」「成長への取り組み」「経営基盤の強化」の三つの経営戦略に取り組み、「グローバル領域で水産品、加工品を生産・販売する総合食品企業」を目指す。
参照コンテンツ
- MNEXT 眼のつけどころ 市場脱皮期の富裕層開拓マーケティング―価格差別化戦略(2021年)
- オリジナルレポート コロナ下とコロナ後の消費の展望(2021年)
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第132号 冷蔵庫は食材で一杯!内食化で「買いたくても買えない」!?
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第131号 消費抑圧の反動 食品購入は高価格帯へシフト
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第129号 料理の強い味方 増加する加工食品の利用
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第112号 消費増税ついに「10%」も―駆け込み購入、盛り上がり欠く
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第107号 2019春の食品値上げラッシュ!値上げ方法で明暗
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第86号 サラダチキンブームの行方―ダイエットから食卓へ
- 戦略ケース マルハ 「パッ缶」の開発・導入戦略(1987年)
- 戦略ケース マルハ Sea Loves Youキャンペーン(1984年)
競合他社の業績と比較分析する
おすすめ新着記事

消費者調査データ 2023年印象に残ったもの コロナは去り、阪神は「アレ」を果たし、大谷選手の活躍は続く
2023年はどんな1年だったのか。「トピックス」「人物」「歌」「商品」「流行語」の切り口から、J-marketing.net的に整理する。

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 成長するコーヒー市場 6つの形態が店頭に共存するワケとは?
コーヒーの国内消費量は、2022年に4年ぶりの増加に転じた。最近では大手コンビニエンスストアがコーヒーのサブスクサービスを実験的に導入する動きがみられる。今回はコンビニを中心にコーヒーがどのように買われているのか調査をおこなった。

消費者調査データ No.397 シャンプー(2023年12月版) 「パンテーン」と「ラックス」、僅差の競り合い
コロナ禍によるインバウンド需要喪失からゆっくり立ち直りつつあるシャンプー市場。調査結果は「パンテーン」が複数項目で首位を獲得したが、2位の「ラックス」との差はごくわずかで競り合いが続いている。国内メーカーでは、独立系の専業メーカーが独自のコンセプトで高いリピート意向を獲得している。



