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公開日:2025年02月19日

月例消費レポート 2025年1月号
消費は改善の動きがみられる - 国内外からの物価上昇リスクが消費回復を妨げるおそれも
主任研究員 菅野 守

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 支出全般の伸びは名目と実質でプラスに転じ、その後もプラスを維持している。

 日常生活財は概ねプラスを保っており、耐久財では好不調の格差がみられるが、一部で改善の動きも認められる。

 収入環境は底堅さを保っているが、雇用環境は方向感が定まらず、マインドでは改善から悪化に転じる動きもみられる。

 物価上昇の動きは消費者物価で目立っているが、異常気象その他国内の波乱要因の影響が現れた格好だ。輸入物価や国内企業物価でも伸びの上昇がみられており、今後、消費者物価の上昇へ波及するおそれもある。

 日米金利差はわずかながらも縮小傾向にあり、足許の円高トレンドを後押ししている。ただし、海外の波乱要因に伴う円安転換の動き次第では、輸入物価を起点とした物価上昇と、それによる消費への悪影響に注意が必要となるだろう。

 JMR消費INDEXは2024年11月時点で46.7となっており、前月10月よりも上昇している(図表1)。

 INDEXを構成する個々の変数の動きをみると、支出関連では3指標中、消費支出と平均消費性向の2つが2024年4月以来、7ヶ月ぶりに改善した。ただし、雇用関連の2指標は一貫して悪化が続いている(図表2)。販売関連では、2024年11月は10指標中、改善と悪化がともに5指標と拮抗している。2024年12月については、図中に示された(チェーンストア売上高を除く)6指標中、改善が2指標、悪化が4指標となっており、悪化の側が若干優勢である(図表2)。その後、1月27日に公表された2024年12月分の外食売上高の伸びは、ファーストフードで前年同月比106.5%、ファミリーレストランで107.8%である。1月31日に公表された新設住宅着工戸数は、前年同月比で97.5%である。よって、執筆時点で判明している9指標中だと、改善が2指標、悪化が7指標となり、2024年12月は悪化の側がより優勢となりそうである。

 消費支出の伸びは2024年11月時点で、名目と実質ともにプラスに転じた。両者がプラスとなったのは2024年4月以来、7ヶ月ぶりのこととなる(図表4)。2025年2月7日に公表された家計調査2024年12月分の消費支出の伸びは、名目で108.7%、実質では104.3%となっており、名目と実質ともに2ヶ月連続のプラスとなっている。

 10大費目別では、2024年11月は名目ではプラスが8費目となっており、プラスの側がより優勢となった。他方、実質ではプラスが3費目となっており、マイナスの側の優勢が続いている(図表5)。2025年2月7日に公表された2024年12月分の10大費目の伸びは、名目では10費目全てがプラス、実質でも10費目中7費目でプラスとなっており、どちらもプラスの側が顕著に優勢となっている。

 物価の動きに着目すると、輸入物価の伸びは2024年12月に101.0%となり、4ヶ月ぶりにプラスに転じた。国内企業物価の伸びは103.8%と横ばい、消費者物価の伸びは103.7%へと上昇している(図表6)。

 財・サービス別に消費者物価の伸びの推移をみると、2024年12月時点で、サービスでは伸びはわずかな上昇にとどまったが、財では大きく上昇している。財での大幅な伸びが、総合の伸びを押し上げていることがわかる(図表7)。
 2025年 2月13日に公表された2025年1月分の企業物価指数によると、輸入物価指数の伸びは102.3%、国内企業物価指数の伸びは104.2%へとともに上昇している。

 販売現場では、小売業全体の売上は2024年11月時点で、プラスが続いている。チャネル別でも、総じてプラスとなっている(図表11図表12)。1月31日に経済産業省から公表された2024年12月分の数値によると、小売業全体では103.7%のプラスである。チャネル別では、コンビニエンスストアで99.1%とマイナスになったが、他の業態はプラスを保っている。

 外食売上は、全体でも主要3業態でも、息長くプラスを保っている(図表20)。同様の動きは、1月27日に公表された2024年12月分のデータでも確認できる。

 耐久財では、新車販売は2024年12月時点で、乗用車(普通+小型)と軽乗用車ともに、伸びはマイナスとなった(図表13)。2025年2月3日に公表された2025年1月分の数値によると、乗用車(普通+小型)で112.2%、軽乗用車でも120.9%と、ともに3ヶ月ぶりにプラスに転じている。

 家電製品出荷については2024年12月現在、黒物家電は総じてマイナスが続いている。白物家電は2024年11月時点でカテゴリーごとに好不調が分かれており、1月27日に公表された2024年12月分のデータでも同様の状況が確認できる。情報家電ではノートPCは6ヶ月連続のプラスである。スマートフォンは2024年11月時点でプラスとなっていたが、2025年2月10日に公表された2024年12月分では再びマイナスに戻っている(図表14図表15図表16)。

 新設住宅着工戸数は2024年11月現在、全体では2024年5月以降マイナスが続いている(図表17)。2025年1月31日に公表された2024年12月分の数値でも、全体のマイナスは続いている。

 利用関係別では、持家は2ヶ月連続のプラス、分譲住宅・マンションは4ヶ月ぶりにプラスに転じたが、分譲住宅・一戸建てはマイナスが続いている(図表17)。1月31日に公表された2024年12月分の数値によると、持家は3ヶ月連続でプラスとなったが、分譲住宅・マンションと分譲住宅・一戸建てはマイナスとなっている。

 3大都市圏別にみると、分譲住宅・マンションは2024年11月時点で、近畿圏は3ヶ月ぶりにプラスに転じたが、残りの三つの地域(関東圏、中部圏、その他の地域)はマイナスが続いている(図表19)。1月31日に公表された2024年12月分の数値によると、近畿圏でプラスが続いているが、残りの三つの地域では引き続きマイナスとなっている。

 消費を取り巻く環境条件をみると、雇用環境については2024年11月時点で、有効求人倍率と失業率はともに横ばいとなった(図表8)。2025年1月31日に公表された2024年12月分の数値によると、有効求人倍率は横ばいが続き、失業率は低下している。

 収入については、現金給与総額は35ヶ月連続プラス、所定内給与額は37ヶ月連続のプラスとなった。超過給与額も2ヶ月連続のプラスである(図表9)。2025年2月5日に公表された2024年12月分の数値によると、給与の伸びは、現金給与総額で104.8%、所定内給与額で102.7%、超過給与額で101.3%であり、いずれもプラスを保っている。

 消費マインドについては2024年12月時点で、景気ウォッチャー現状判断DIは2ヶ月連続で上昇、消費者態度指数も上昇に転じた(図表10)。ただし、2025年1月29日に公表された消費動向調査2025年1月分の数値によると、消費者態度指数は34.8へと低下している。また、2025年2月10日に公表された景気ウォッチャー調査2025年1月分の数値によると、現状判断DIも45.5へと低下している。

 マーケットの動きとして、まず円ドル為替レートと日経平均株価の推移をみると、2024年12月末頃から2025年1月下旬にかけて、為替は円安の動きに徐々にブレーキがかかり、その後は若干円高方向へ戻している。株価は下落傾向が続いてきたが、1月半ば頃を境に反転上昇の動きをみせた(図表21)。その後、株価は3万9,000円を挟んでの乱高下が続いている。為替は円高傾向で推移し、2月7日には一時終値で151円40銭を付けている。

 日米の長期金利の推移をみると、米国債10年物金利は11月29日頃を底に、上昇傾向で推移している。他方、日本国債10年物金利も12月下旬頃以降、概ね上昇傾向で推移してきた(図表22)。その後、米国債10年物金利はしばらくの間低下傾向が続いたが、2月5日に4.423%を付けたのを境に再び上昇傾向に転じている。他方、日本国債10年物金利は、緩やかな上昇傾向を保っている。

 日本国債のイールドカーブの変遷をみると、9月24日を底に再び上昇シフトに転じ、その後は若干の上下動を伴いつつ、2025年1月15日には2024年4月以降で最も左上方に位置付けられている。特に、残存期間5年以下のところで、2025年1月15日時点のイールドカーブと2024年7月2日時点のイールドカーブとの高低差が際立っていた(図表23)。その後も、イールドカーブは上昇を続け、2025年2月13日現在、残存期間25年以下の領域では2025年1月15日時点の水準を上回っている。



 総合すると、消費は改善の動きがみられる。
 支出全般の伸びは名目と実質でプラスに転じ、その後もプラスを維持している。
 日常生活財は概ねプラスを保っており、耐久財では好不調の格差がみられるが、一部で改善の動きも認められる。
 収入環境は底堅さを保っているが、雇用環境は方向感が定まらず、マインドでは改善から悪化に転じる動きもみられる。
 物価上昇の動きは消費者物価で目立っているが、異常気象その他国内の波乱要因の影響が現れた格好だ。輸入物価や国内企業物価でも伸びの上昇がみられており、今後、消費者物価の上昇へ波及するおそれもある。
 日米金利差はわずかながらも縮小傾向にあり、足許の円高トレンドを後押ししている。ただし、海外の波乱要因に伴う円安転換の動き次第では、輸入物価を起点とした物価上昇と、それによる消費への悪影響に注意が必要となるだろう。


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