大正製薬ホールディングスの2018年3月期の連結決算は売上高2,801億円(前年同期比0.1%増)、営業利益370億円(同15.7%増)で増益となった。セグメント別では、セルフメディケーション事業は売上高1,840億円(同2.2%増)とほぼ横ばい、主力の「リポビタンD」が前年を下回り(5.3%減)、シリーズ全体で547億円(6.4%減)、「パブロンシリーズ」は新製品の発売が売上に寄与し、シリーズ全体では289億円(9.9%増)となった。一方、アジアを中心に展開中の海外OTC医薬品事業は、186億円(8.2%増)となった。医薬事業は、営業利益は大幅に改善されたものの、売上高は961億円(同3.7%減)と減少。内訳としては、骨粗鬆症治療剤「エディロール」254億円(12.4%増)、2型糖尿病治療剤 「ルセフィ」50億円(73.0%増)、経皮吸収型鎮痛消炎剤「ロコア」31億円(68.2%増)は売上増、一方、β-ラクタマーゼ阻害剤配合抗生物質製剤「ゾシン」は98億円(37.0%減)、マクロライド系抗生物質製剤「クラリス」は77億円(17.8%減)、末梢循環改善剤「パルクス」は49億 円(9.2%減)で売上減となった。今後セルフメディケーション事業では、生活者の健康意識の高まりや変化に対応した新しい領域・新しいコンセプトの商品開発、営業活動との連動性の向上、通信販売等の新しいチャネルの拡充による生活者との直接コミュニケーションにも注力。医薬事業では情報提供活動を中心に営業力の強化を図るとともに、自社オリジナル開発物質の継続的な創出と国内外の企業からの有望候補物質の導入を進め、開発パイプラインの充実に努める。また、外部研究機関との連携を強化し、継続的なオリジナル開発化合物の創出に注力する。
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- 戦略ケース 「大正製薬」×「小林製薬」 定番長寿商品に「すき間」で対抗(2007年)
- 戦略ケース 大正製薬株式会社 -リテールサポートシステム(1990年)
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