2021年2月期の連結決算は、売上高1,145億円(前年同期比18.8%減)、営業利益107億円(同53.0%減)と減収減益となった。国内の医療用医薬品事業は、継続的な医療費抑制策の推進に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大による受診抑制の影響を受け、一層厳しい環境下で推移した。このような状況下で、経皮吸収型持続性疼痛治療剤「フェントステープ」が、オピオイド鎮痛剤未使用のがん疼痛患者への適応拡大に関する承認事項一部変更の承認を取得、2020年12月には経皮吸収型アルツハイマー型認知症治療剤『リバスチグミンテープ「久光」』の販売を開始、医療関係者のニーズに対応した学術情報活動を展開したが、前年同期比19.8%の減収となった。一般用医薬品事業では、訪日外国人の大幅な減少、イベントの中止や店頭での販促活動を自粛したこと等により、「サロンパス」や「フェイタス」シリーズの売上が減少。また、花粉の飛散量減少及び外出自粛により鼻炎治療剤市場が縮小、「アレグラFX」の売上が減少したことなどもあり、同31.8%の減収となった。海外においては、医療用医薬品事業は、米国で経皮吸収型統合失調症治療剤「SECUADO」を販売開始したが、その他の製品が後発品の影響を受け売上が減少したことにより、同14.8%の減収。一般用医薬品事業は、新型コロナウイルス感染症の拡大による各国の外出規制等の影響や円高の影響を受け売上が減少したことにより、同6.7%の減収となった。2021年度についても、訪日外国人の大幅な減少、医療費抑制策の影響、企業間競争の激化など厳しい事業環境が続くと想定される。引き続き営業基盤の強化及び生産体制の拡充を図るとともに、得意とする経皮吸収型貼付剤分野に資源を集中し、新商品開発の迅速化を図る。連結では売上高1,229億円(当期比7.3%増)、営業利益107億円(同0.3%増)を見込む。
企業活動分析/戦略分析シートのご利用には有料の会員登録が必要です。
本コンテンツでは、企業の戦略や活動を当社独自のフレームに沿って時系列で整理しています。
各企業の決算情報やニュースリリースをチェックする手間をかけることなく、戦略や事業環境を素早く把握できます。競合比較や業界分析などに幅広くご活用ください。
現在、企業活動分析/戦略分析シートのサンプルを無料公開しています。無料会員への登録でダウンロードできますので、ぜひお試しください。
企業活動分析レポートのダウンロード
- バックナンバー

企業活動分析に関する基調論文
参照コンテンツ
- 戦略ケース 大衆薬のネット販売本格化で始まるメーカー・小売の業界再編 ~アマゾンが薬のネット販売を開始~ (2013年)
- MNEXT 眼のつけどころ 市場脱皮期の富裕層開拓マーケティング―価格差別化戦略(2021年)
- オリジナルレポート コロナ下とコロナ後の消費の展望(2021年)
競合他社の業績と比較分析する
おすすめ新着記事

消費者調査データ カップめん(2025年4月版)別次元の強さ「カップヌードル」、2位争いは和風麺
調査結果をみると、「カップヌードル」が、ほぼ全員に認知があり、4分の3に購入経験があり、半数弱が3ヶ月以内に購入、と圧倒的な強さをみせるなど、ロングセラーブランドへの上位集中が鮮明な結果となった。背景には、昨今の値上げ続きで強まる消費者の節約志向があると考えられる。「失敗したくない」という意識が安心感のあるブランドに向かっているのだ。

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター チョコレートの今後購入意向は80%以上! 意外にも男性20~30代と管理職が市場を牽引
チョコレート商品の値上げが続くなか、成分や機能を訴求したチョコレートが伸びている。今回はどのような人がどんな理由でチョコレートを食べているのか調査した。

成長市場を探せ キャッシュレス決済のなかでも圧倒的なボリュームを誇るクレジットカード決済は、2024年、3年連続の2桁成長で過去最高を連続更新するとともに、初の100兆円台にのせた。ネットショッピングの浸透も拡大に拍車をかけている。 キャッシュレス市場の雄、クレジットカードは3年連続過去最高更新(2025年)
キャッシュレス決済のなかでも圧倒的なボリュームを誇るクレジットカード決済は、2024年、3年連続の2桁成長で過去最高を連続更新するとともに、初の100兆円台にのせた。ネットショッピングの浸透も拡大に拍車をかけている。



