口コミが有効なコミュニケーション手段であることは誰もが分かっていることです。あらゆる商品において購入動機の一番は広告でも店頭推奨でもなく、「友人・知人から聞いて」となっています。信頼できる情報でもトップになっています。「話題になる」ことこそが、最も有効な販促手段である訳です。しかし、口コミといった自然発生的な情報は、コミュニケーション施策としては操作しにくく、その有効性は分かっていてもなかなか本気で取り組めないものでした。
口コミは、消費者における「情報通」の誰かが、ある商品を良いと評価し、その友人、仲間に情報が波及していくことによって生じます。ポイントは、
- 「情報通」に発見されること
- その人に「良い」と評価してもらうこと
- その友人、知人に情報伝達がおきること
の三つです。このことが分かれば、口コミに乗るコミュニケーション操作が可能になります。
まず、最初は「情報通」の人々を組織化することです。この発見は簡単ではありませんが、流通業者、地域キーマン、大学サークルなどの情報によってその人を特定化することは可能です。また、モニターによってそうした素養のある人をスクリーニングすることも可能です。
スクリーニングされた「情報通」の人に企業紹介やオープンハウス、さらなるモニターなどによって自社商品の良さを分かっていただきます。その上で、「情報通」の人から友人・知人へ紹介サンプリングを実行します。
「情報通」の人からの紹介ですから、被紹介者はその商品の良さをより強く認識します。この場合、できるだけ「情報通」の人の生のメッセージで紹介者へ伝達・告知すると、情報の信頼性はより高くなります。
ITメディアの普及、とりわけ電子メールの普及とともに、口コミが電子メディア化しています。IT化はタイムラグをなくし、口コミを即座に伝えることができます。いつでもどこでもネットでつながっていることで、店頭で携帯で遠くにいる友人や家族と、この商品を今この店で買うのが得策かどうか、を話しながら判断することができます。メーリングリストに呼びかけて瞬時に店員より詳しい専門情報を入手できます。ネット化によって、口コミの量と、伝播スピード、情報の専門性の深さが桁違いになっているのです。
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