組織編成の軸をたとえば地域と商品、商品と顧客、あるいは地域・商品・顧客といったように複数軸をマトリックス的に組み合わせて編成することです。複合的販売組織ともいわれます。
次の条件がある場合、採用が検討されます。
- 多岐にわたる商品を持ち、多数の幅広い顧客に販売する場合
- その企業の市場における地位やシェアが高まり、より緻密に管理をしていく必要がある場合
- 販売員や組織の構成員が業務に精通し、力量が高くなった場合
などです。
長所としては、
- 複数の軸で組織編成するため、単一軸の持つ弱点をカバーできる
- 地域、商品、顧客のそれぞれの視点で対応することができ、多面的な情報蓄積、活用が可能となる
ただし、短所としては、
- 地域担当、商品担当の各マネジャーが存在し、連絡や管理が複雑になること
- 関与者が増え、調整に要する時間も増え意思決定が遅れやすい面も持つ
- 組織の屋上屋を重ねることになりやすい
などがあげられ、運用上の工夫が必要です。
長所・短所を併せ持っていますが次のような運用上のポイントがあります。
- 大都市、巨大需要地域での採用
特に、需要の密度、集中度の高い地域での採用は有効な場合があります。東京、大阪などの大都市部では、たとえば地域別・顧客別、あるいは商品別・顧客別などのマトリックス型の採用ケースが現実には多いようです。 - 連絡、意思決定方式の工夫
マトリックス型組織を採用するにあたっては、日報など日常的な販売情報がいつも組織内部で共有化されること、また担当者間の日常的なコミュニケーションを開放的にしておくことが必要です。そういう配慮が乏しいと情報共有にムダが増えることになります。
参照コンテンツ
- 営業現場の科学
- マーケティング用語集 販売組織を決定する要素
- マーケティング用語集 事業・商品別組織
- マーケティング用語集 機能別組織
- マーケティング用語集 組織戦略の最適化
- マーケティング用語集 販売組織のマネジメント
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