山崎製パンの2021年12月期の連結業績は、売上高1兆530億円(前年比3.8%増)、営業利益184億円(同5.3%増)と増収増益であった。山崎製パン単体の菓子パンの好調と、一部連結子会社の業績改善が主要因である。具体的には、営業・生産が一体となった各部門の「なぜなぜ改善」によって、ルヴァン種等を活用した品質向上を図るとともに、女性製品開発担当者を活用した製品開発を推進し、業績向上につなげた。食パン部門は主力の「ロイヤルブレッド」が順調に売上を伸ばすも、「超芳醇」「低価格帯食パン」などが苦戦し、前年未達。菓子パン部門では、主力製品の回復に加え、市場ニーズを捉えた「複数個入り」の「ベイクワン」シリーズや「チルドパン」の売上順調、特に新製品の「マリトッツォ」シリーズが大きく寄与し、前期を上回る売上に。洋菓子部門はヤマザキパンが7期連続売上伸長、不二家も好調に推移。デイリーヤマザキ事業については、「小売事業業績改善プロジェクト」を発足、住宅立地の店舗売り上げが堅調に推移し増収となるも、人件費等のコスト増などから減益(営業損失)。2022年度は、21世紀の新しいヤマザキの前進の時と位置づけ、営業・生産が一体となった部門別製品施策・営業戦略、小委員会による 「なぜなぜ改善」を推進し、消費者の需要に合致する新しい価値の創造と新しい需要の創造に取り組み、業績の向上を期す。
参照コンテンツ
- MNEXT 眼のつけどころ ePOPで成熟ブランドのリブランディング― 2022年春の提案(2022年)
- プロの視点 イラスト効果で売上130%増の謎を解く―エモーショナルマーケティング(2022年)
- MNEXT 眼のつけどころ 値上げの時代の生き残りマーケティング(2022年)
- 戦略ケース 値上げと小売業の競争 物価上昇で小売とメーカーは新競争時代に突入(2022年)
- 戦略ケース 国産小麦100%使用パンを拡充 (2008年)
- 戦略ケース 「顧客本位・良品提供」の理念で価値提供 (1995年)
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第112号 消費増税ついに「10%」も―駆け込み購入、盛り上がり欠く
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第107号 2019春の食品値上げラッシュ!値上げ方法で明暗
競合他社の業績と比較分析する
おすすめ新着記事
消費者調査データ 炭酸飲料(2024年7月版) 首位「コカ・コーラ」、迫る「三ツ矢サイダー」、高い再購入意向の無糖炭酸水
2023年は3年連続プラスとなった炭酸飲料。調査結果を見ると、今回も「コカ・コーラ」が複数項目で首位を獲得したが、2位の「三ツ矢サイダー」の猛追が光る。再購入意向は、無糖炭酸が上位に食い込んだ。
消費者調査データ スポーツドリンク・熱中症対策飲料(2024年7月版) 首位「ポカリスエット」、追い上げる「アクエリアス」
人流の回復や猛暑などを背景に伸びる熱中症対策飲料・スポーツドリンクの調査結果をみると、ロングセラー「ポカリスエット」が再購入意向を除く5項目で首位を獲得した。5ポイント程度の差で追うのは「アクエリアス」。さらに10ポイント前後のビハインドで「GREEN DA・KA・RA」が続く。
成長市場を探せ 初の6,000億円超え、猛暑に伸びるアイスクリーム
2023年度、空前の暑さを追い風に、アイスクリーム市場は初の6,000億円超えを達成、4年連続で過去最高を更新した。2023年の夏日日数は140日、実に1年の4割近くの日が「アイスクリームを食べたくなる」気温である25度を超えたことになる。