江崎グリコの2018年3月期の連結決算は、売上高3,534億円(前年比0.06%増)、営業利益204億円(同16.25%減)の増収減益となった。セグメント別にみると、菓子、食品、食品原料、その他の部門では増収減益となり、冷菓部門と牛乳・乳製品部門では減収減益となった。菓子部門では、 "ビスコ"や"LIBERA(リベラ)""GABA(ギャバ)"等のチョコレート製品が貢献し、全体では3.2%の増収となったが、販売促進費及び広告宣伝費の増加により減益。食品部門では、"DONBURI亭""カレー職人"が前年を上回り、1.2%の増収となったが、リベート等販売促進費の増加等により減益。食品原料部門では"A-グル"「ファインケミカル」などが前年を上回り、3.0%の増収だったが、売上原価率及び運送費及び保管費率の改善等により減益。その他の部門では、"SUNAO""アーモンド効果"が貢献し、6.1%の増収となったが、販売費及び一般管理費の増加等により減益。冷菓部門は得意先の帳合変更の影響等により減収減益。牛乳・乳製品部門は受託販売の前年割れ、広告宣伝費の増加等による減収減益となった。今後は、機能性食品をはじめとする健康事業の育成や、重点ブランドの強化を加速させていく。また、組織の連携や機能の強化を図り、グループ経営資源を結集させる。海外では、2017年に設立したASEAN地域統括会社をはじめとするグローバルブランド強化など、海外事業の展開をより強く推進する。
参照コンテンツ
- 戦略ケース スイーツのジレンマ 欲望と罪悪感の狭間で成長するチョコレート市場 (2018年)
- 戦略ケース スイーツ市場を取り込んで快進撃を続けるハーゲンダッツドルチェ (2007年)
- 戦略ケース 店頭での試食キャンペーン(1993年)
- 消費者調査データ レトルトカレー(2018年9月版) 強い定番、ククレ、咖喱屋、銀座カリー。ロイヤル層を掴む複数パック
- 消費者調査データ チョコレート(2018年2月版) チョコレート効果、カレ・ド・ショコラ、本物志向や健康志向の商品が人気
- 消費者調査データ アイスクリーム(2018年2月版) 「冬アイス」ブームも追い風か。好調ハーゲンダッツ
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第99号 伸びるレトルトカレー 品質向上がカレールーを脅かす
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第90号 ロングセラーブランドの現在と受容層を探る
競合他社の業績と比較分析する
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