- 販促部門におりますが素人の集まりみたいなもので理論武装らしきものは何もありません。販促の基本を教えてください
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教科書的な販売促進計画立案のプロセスを整理すると、以下のようになります。
- プロモーションターゲットの設定
- プロモーション目的の決定
- メッセージ・オファーの策定
- プロモーションプログラムの策定
- プロモーション効果の測定
ポイントは、ふたつあります。
ひとつはプロモーション目的をどう設定するかです。目的によって第三段階の採用するオファーが異なるからです。オファーとはわかりやすく言えば、購買や満足にインセンティブを与える手段のことですが、目的によって有効な手段が異なるからです。
消費者へのプロモーションを前提に考えてみます。目的設定は、消費者への当該製品の浸透状況によって異なります。消費者への浸透モデルは「AIDMA」が代表的ですが、当社では「AMTUL」というモデルを提案しています。AMTULとは、以下のような浸透プロセスを想定しています。
- A(Awareness) : 認知
- M(Memory) : 理解
- T(Trial use) : 試用
- U(Usage) : 現在使用
- L(Loyal use) : 愛用固定
各浸透プロセスの状況やギャップから、目的は「認知拡大」「認知変革」「トライアル層創造」「購買刺激」「愛用固定促進」の五つに大別することができます。この目的に応じたオファーの採用が必要になってきます(図表1)。
図表1 プロモーション目的と有効なオファー

ふたつめのポイントは、プロモーションプログラムをどうやって策定するかです。消費者向けプロモーションと流通向けプロモーションは通常、複合的に展開されることが多いわけですし、店頭プロモーションを重視する場合は、営業の人達の協力も必要になります。
各社それぞれに計画書のフォーマットはあると思いますが、わかりやすいプログラム設計のモデルとして「ペンタゴンモデル」をご推奨します。ペンタゴンモデルとは、販売の関与者構造を整理したもので、五つの関与者と七つのコミュニケーションユニットをどう設計するかのモデルです(図表2)。
このモデルを使うことで統合的なプロモーション計画の策定ができます。ブロードバンド化と消費者ニーズやライフスタイルの多様化がすすむなか、計画策定のポイントは、以下の三つだと考えられます。
- 準拠集団へのアプローチ
- 商品訴求型メッセージから情報提供型メッセージへの転換
- ブロードバンド時代を見据えたオファー開発
図表2 ペンタゴンモデルと活用事例

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