「白物家電」の国内生産は、2000年代後半から新興国の追い上げなどで低迷を続けていた。電気洗濯機も2008年頃から前年割れが続き、2013年には最大生産金額の半分程度まで縮小。しかし2014年からは5年連続で上向いている(出所:一般社団法人 家電製品協会)。
生産金額の成長を支えているのは、高付加価値化である。2014年と2018年の生産数量と金額を比較すると、生産数量は5年間で11%増にとどまっているものの、金額は29%の伸びを示している。主要メーカーの動向をみると、高性能センサーを複数搭載することによって「布量」「布質」「洗剤」「水硬度」「水温」などを検知し、洗濯方法を自動で最適化する「AIお洗濯」や、タンクに約1ヶ月弱分の洗剤と柔軟剤を溜めておいて、洗濯のたびに適量を投入してくれる「自動投入」、「スマホ連携」など、洗濯を楽にする機能を搭載した洗濯機が発売されている。共働き世帯の増加による「時短」「省手間」ニーズを取り込み、電気洗濯機の高付加価値化は今後も進みそうだ。
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