2018年のタピオカの輸入金額は、前年比77.9%増の8億5,800万円となり、過去最高記録を大幅に塗り替えた(東京税関「特集 タピオカの輸入」より)。
タピオカのブームは今回で3回目だ。第一次ブームは1992年から94年頃。折から注目されていたエスニック料理のデザートとして脚光を浴びたことに始まる。第二次ブームは2008年頃といわれている。輸入量は2004年頃から伸びてきたが、2008年に台湾からQuicklyなどのブランドが上陸、ブラックタピオカを使ったタピオカティーがブームとなった。現在は第三次のブームといわれているが、過去2回のブームと比較しても、拡大の仕方が大きく違う。2019年の通年の統計はまだ発表されていないが、上期(2019年1~6月)の輸入金額は、半期で15億円を突破、前年同期比では5.7倍に急拡大した。台湾ブーム、SNS映えなどがブームを拡大した要因だ。「タピる」「タピ活」などの新語も生まれ、流行語大賞にもノミネートされた。ドリンクに留まらず、サラダやパンケーキなどにも利用され、ブームはさらに拡大するかにもみえる。しかしながら昨年後半から口コミグルメサイトでの口コミ数は減少に転じ、当社の調査結果(食と生活のマンスリーニュースレター「ブーム終焉近い?タピオカドリンク、今後の飲用意向伸びず」)でも今後の飲用意向は伸び悩んでいる。2020年にはブームは一段落という見方が強まっているが、ブームと鎮静化を繰り返しながら長期的に拡大してきたタピオカ市場の今後が注目される。
参照コンテンツ
- 食と生活のマンスリーニュースレター「ブーム終焉近い?タピオカドリンク、今後の飲用意向伸びず
- 消費者調査データ 消費者調査データ J-marketing的2019年のヒット商品 2019年、印象に残ったもの──改元、ラグビー、タピオカ
シリーズ 成長市場を探せ
おすすめ新着記事
消費者調査データ 紅茶飲料(2024年10月版) 首位「午後の紅茶」、「紅茶花伝」に水をあける
2023年、数量金額ともにプラスとなった紅茶飲料。調査結果を見ると、キリンの「午後の紅茶」が再購入意向以外の5項目で首位を獲得した。認知率は9割、購入経験も5割を超え、再購入意向では2位以下に10ポイント余の差をつけ、リーディングブランドらしい強さをみせた。
消費者調査データ ミネラルウォーター(2024年9月版) 全項目首位「サントリー 天然水」、リピート意向の高いPB
2023年、2年連続で2桁増を達成したミネラルウォーターについての調査結果をみると、全項目で5ポイント以上の差をつけて「サントリー天然水」が首位に。2位は「い・ろ・は・す天然水」。再購入意向ではベスト10内に5ブランドのPBという結果となった。
成長市場を探せ V字回復で2年連続過去最高更新の炭酸飲料(2024年)
炭酸飲料が伸びている。2020年はコロナ禍で前年割れとなったが、翌21年にはコロナ前の水準に迫り、22年、23年と2年連続で過去最高を更新した。