2022年のシリアル生産量は76,386トンで、過去最高を記録した2021年にはわずかに及ばなかったが、過去2番目の規模で、2021年から統計項目が分離したオートミールは、大幅な拡大となった(日本スナック・シリアルフーズ協会)。
国内のシリアル生産量は、カルビー「フルグラ」が大ヒットを記録した2016年をピークにダウントレンドにあったが、コロナ禍で増えた在宅時間と健康志向を背景に再び拡大、2021年には過去最高を記録した。裏年にあたる2022年はほぼ前年並みとなったものの、その中で気を吐いているのがオートミールだ。「米化」などあらたな食べ方が広まり、朝食以外にも食シーンは拡大したことから、2022年は前年の1.45倍に急拡大した。メーカー各社も相次いで新商品を発売、バリエーションも拡大している。行動制限は撤廃されたが、健康志向の高まりは続いている。健康志向と簡便化志向をともに満たすオートミールが、今後もシリアル市場をけん引できるかが注目される。
参照コンテンツ
- 消費者調査データ シリアル(2022年3月版)首位独走「フルグラ」、話題のオートミールも固定ファン獲得か
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第130号 裾野広がるシリアル コロナ禍自粛の反動に成長機会
シリーズ 成長市場を探せ
おすすめ新着記事
成長市場を探せ コロナ特需の反動乗り越え成長するパスタソース(2024年)
コロナ特需から3年連続で縮小するレトルト市場にあって、パスタソースは2年連続の成長となった。「あえる・かける」だけで一品となるレトルトパスタソースの簡便性は、時短ニーズにマッチするものとして成長が期待されている。
消費者調査データ 紅茶飲料(2024年10月版) 首位「午後の紅茶」、「紅茶花伝」に水をあける
2023年、数量金額ともにプラスとなった紅茶飲料。調査結果を見ると、キリンの「午後の紅茶」が再購入意向以外の5項目で首位を獲得した。認知率は9割、購入経験も5割を超え、再購入意向では2位以下に10ポイント余の差をつけ、リーディングブランドらしい強さをみせた。
消費者調査データ ミネラルウォーター(2024年9月版) 全項目首位「サントリー 天然水」、リピート意向の高いPB
2023年、2年連続で2桁増を達成したミネラルウォーターについての調査結果をみると、全項目で5ポイント以上の差をつけて「サントリー天然水」が首位に。2位は「い・ろ・は・す天然水」。再購入意向ではベスト10内に5ブランドのPBという結果となった。