ご利用には無料または有料の会員登録が必要です。
ご登録済みの方は、こちらから全文をご利用ください。
会員のご登録はこちらをご覧ください。
企業間競争において勝つ原則がある。状況を見極め、原則を利用して、戦略を立案するのが、戦略思考の第一歩である。幾つかの原則のなかでもっとも重要な原則のひとつが戦略的機動である。機動とは一般的には「状況に応じたすばやい行動」(広辞苑)と定義できる。しかし、この機動=スピードの理解では不十分だ。軍事戦略の専門家であるレオンハード教授の定義は「敵の主力を避け、敵の弱点や心臓部を壊滅、または無力化させることを狙う軍事理論」であり「相手に対して常に優位を確保するために相手には知られないように行うスピードある行動」である。戦略的機動の本質は、「競争相手に対して相対的優位置を占めること」であり、スピードはそのための手段である。目的-手段関係があいまいなまま、「機動」=「スピード」と言う意味で用いられていることが多い。スピードだけでは競争力にはならない、かつての松下電器の二番手戦略は他社のスピードを逆手にとる強者の戦略であった。ブロードバンド化が進む中、ファシリティさえあれば真似のできるスピードは競争力にはならない。機動は、現代の戦略において最も重要である。しかし、成功させるのは非常に難しい。
参照コンテンツ
- MNEXT 戦略的思考とは何でしょう?(2003年)
- MNEXT 眼のつけどころ 戦略思考をどう身につけるか-スポーツ観戦で学ぶ(2019年)
- MNEXT 眼のつけどころ 高収益な市場プラットフォーム事業をどう創出するか?-MSP事業創出作法(2018年)
- MNEXT 力の論理─世界の戦いの歴史に学ぶ戦略経営法(2010年)
- MNEXT 顧客志向の高収益ビジネスモデルをどうつくるか?-市場プラットフォーム戦略の論理と事例(2012年)
シリーズ 戦略思考を鍛える
- 紹介文 戦略思考を鍛える(MNEXT)
- 第1章 目的の設定の仕方-目的と手段関係の明確化
- 第2章 資源の集中のさせ方
- 第3章 戦略的機動の用い方
- 第4章 攻撃の仕方
- 第5章 防御の仕方
- 第6章 タイミングの計り方
- 第7章 組織心理の掴み方-戦略思考をつなぐのは組織心理
おすすめ新着記事
成長市場を探せ V字回復で2年連続過去最高更新の炭酸飲料(2024年)
炭酸飲料が伸びている。2020年はコロナ禍で前年割れとなったが、翌21年にはコロナ前の水準に迫り、22年、23年と2年連続で過去最高を更新した。
「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 「紅麹サプリ問題」認知率は86%! 消費者の健康食品選びに変化
コロナが明けて需要が戻った健康食品市場だったが、2024年3月に「紅麹サプリ問題」が起こった。そこで、健康食品の利用と、「紅麹サプリ問題」を受けて消費者の行動がどう変化したかを調査した。
消費者調査データ 茶飲料(2024年9月版) 抜群の強さ「お~いお茶」、大手3ブランドが熾烈な2位争い
2年連続のプラスとなった茶飲料市場の調査結果をみると、トップブランドの「お~いお茶」が全項目で首位、大手飲料メーカーの緑茶ブランド3点が熾烈な2位争いを繰り広げている。一方、再購入意向のランキングでは、麦茶ブランドが上位に入った。