
収入格差が拡大しています。「平成13年度家計調査報告」(総務庁)によれば、勤労者世帯で、
実収入の年間収入五分位階級別の第Ⅰ階級(下位20%の層)に対する第五階級(上位20%の層)の格差は、平成8年から10年にかけて拡大した後、11年、12年は縮小したが、13年は2.84倍と前年に比べわずかに拡大しています。可処分所得、消費支出とも同じ傾向がみられます。
時系列でみれば、1991年のバブルのピークでもっとも拡大し、バブル後に縮小し、1995年でボトムとなり、1996年以降再び格差が拡大傾向にあります。
収入格差が広がっている最大の理由は、日本企業の雇用政策の変化にあります。それによって、失業者の増大、能力主義による企業内の個人格差の拡大が生まれています。
また、企業の業績格差による企業間賃金格差も拡大しています。
ふたつめは、経済の構造変化とともに、人々の価値意識が「結果平等主義」から「機会平等主義」へと転換し、実力主義による格差を受け入れる土壌が生まれていることです。
戦前の日本社会は階級社会であったし、90%もの人が中流意識をもつ平等社会へと転換したのは戦後の、最近の約30年の歴史にすぎません。
新たな世紀、収入格差の拡大によって、総中流の均質な社会から、格差のある階層社会へ少しづつ移行していくと思われます。
参照コンテンツ
おすすめ新着記事

消費者調査データ No.397 シャンプー(2023年12月版) 「パンテーン」と「ラックス」、僅差の競り合い
コロナ禍によるインバウンド需要喪失からゆっくり立ち直りつつあるシャンプー市場。調査結果は「パンテーン」が複数項目で首位を獲得したが、2位の「ラックス」との差はごくわずかで競り合いが続いている。国内メーカーでは、独立系の専業メーカーが独自のコンセプトで高いリピート意向を獲得している。

成長市場を探せ 「巣ごもり」後も割安感で堅調な家庭用冷凍食品(2023年)
2022年の家庭用冷凍食品の生産量は、前年比100.8%となる80万5,000トンで、8年連続拡大、過去最高を更新。22年からの食品全般の値上げのなかで、簡便化志向や節約志向から利用が継続されているとみられている。

消費者調査データ レトルトカレー(2023年11月版) 首位は咖喱屋カレー、リピートされる調理対応カレー
コロナ禍以降、家族の食卓への浸透が一層進んだレトルトカレー。調査結果では、咖喱屋カレーがトップを堅持する一方、再購入意向では調理対応カレーやコスパに優れるPBが上位に。家族食としての定着を裏付ける結果となった。



