
グローバル比較調査(弊社2001年実施、10カ国インターネット調査、対象国:米、英、仏、独、伊、中国、台湾、インド、シンガポール、日本)によると、日本は調査した10カ国の中で最もリスク回避の志向が強くなっていました。
「仮に手元に100万円あったとして、1年後に150万円になる確率が50%、50万円になる確率が50%の金融商品があるときどうするか」という質問をしました。選択肢は「100万円すべて投資する」「50万円投資する」「1円も投資しない」の三択です。10ヶ国における主流は100万円の半分の50万円を投資するスタイルです。日本は「1円も投資しない」が6割を超えました。これは中国のリスク志向(「投資する」が 87%)と対照的です。日本人がいかに安全志向でリスク回避型であるかがうかがえるデータです。
日本よりも失業率が高く、格差化が進んでいる国々に比べ、日本人のリスク回避志向は明らかに過剰なものといえます。
その要因として、バブル崩壊による株価、地価の下落といった資産価値の下落、企業のリストラや終身雇用制の崩壊など人的資産の崩壊が90年代に一挙に進んだことが、日本人に極端なリスク回避型の行動をとらせていると推測されます。
現在の消費は、資産の多くを所有し年金が満額支給されている65歳以上の世帯においては、リスク回避により投資せず資産を塩漬けにして消費にまわさない。現役の勤労者世帯では、終身雇用、年功型賃金体系の崩壊によって、将来の給与所得の変動に備えて貯蓄に励む、というのが実状ではないでしょうか。
リスクに対する過剰反応が現在の消費低迷を長引かせている大きな要因であると考えられます。
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