
CSRとは、「Corporate Social Responsibility」の頭文字をとった表現で、日本語では一般的に「企業の社会的責任」といわれています。CSRには多くの解釈・議論が存在し、企業が社会に対して負う責任、という文字通りの意味のほかには、現在、国際的に合意されている定義は存在しません。国際的な企業活動の拡大・複雑化、環境問題の深刻化、金融・食品・不動産など相次ぐ企業の不祥事発覚などにより、企業の評価基準としての重要性が注目されるようになっており、ISO(国際標準化機構)による規格化の決定、日本においては経済産業省の委員会発足、経済同友会の指標提示などの動きが見られます。また、企業側でもCSR専門部署を開設するなどCSRの理念を取り入れ、活動につなげる動きが増加してきています。
社会的責任と一言でいっても、責任を果たす必要のある側面は地域や時代によって異なるため、CSRを評価する際にも複数の軸が必要になります。 そのなかで、英環境専門コンサルティング会社サスティナビリティ社のジョン・エルキントン氏が提唱した「トリプル・ボトムライン」の考え方は、企業の活動を「経済(的繁栄)」だけではなく、「社会(的公正)」「環境(的向上)」という三つの側面から評価しようとするもので、CSRの基準として国際的に広く受け入れられています。ボトムラインとは、決算書の最終行、即ち企業損益の最終結果という意味です。
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