一定基準で得意先を限定し、その得意先だけに対して重点的に商品やサービスを供給することがあります。目的は、概ね次の3点です。
- 将来性のある得意先との取引関係を強化し、将来の貴重な販路を維持すること
- 限定することによって価格維持や、政策の協調を図ること
- 限定された得意先だけの販売ノウハウを開発すること
言わば疑似フランチャイズ組織と言えます。この手法は、系列店政策をとってきた化粧品や家電、自動車組織と似ていますが、オープン流通での酒販、衣料、建材チャネルに対して、各メーカーが強化してきている施策です。
多くの小売業はこれまで、どこにでもあるナショナルブランドを重視してまいりましたが、これでは自店の個性は発揮できません。次第に巨大になった自店の販売力や情報技術、利用顧客特性を背景にして自店にしかない商品の開発に注力してきています。
こうした点でメーカーと共同して、その店のオリジナルな商品開発を行うことが「限定チャネル商品開発」です。コンビニエンス向け、百貨店向け、ホームセンター向けなどの特別チャネル向け商品が数多く開発されています。
限定チャネル商品開発の典型がPB(プライベートブランド)やSB(ストアブランド)と呼ばれるものです。これまでは中小メーカーや業務用主体のメーカーがこれに対応してきましたが、「NB同等品質」を求める消費者、流通からの要請に従ってトップメーカーが対応することが不思議ではなくなりました。NBへの影響や、他小売業者の反応も考慮する必要がありますが、流通販促の一手段として限定した有力流通とのパイプを太くするために、メーカーの商品開発技術が活用されてきています。
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