ここでは、「自社施設の開放」と「地域イベントへの協賛」について触れますが、その他の広告活動、販促活動、パブリシティを展開していくうえでも、地域特性の把握は事前の準備として不可欠なこととなります。気候・風土、人口・世帯構造、産業構造の特性などの他、地域の運動会、早朝バレー、少年野球などのコミュニティ活動のチャンスを発見することが、地域販促活動の前提となるでしょう。
「自社施設の開放」、「地域イベントへの協賛」はともに、短期的に効果を上げる販促活動ではありません。地域における企業姿勢の浸透を図ることで、地域住民との友好関係を確立し、需要獲得の基盤を作ることが目的となります。このため、イベント協賛、施設開放とも継続的に長期的に行なうことが重要です。地域の産業展に協賛、出展を継続し、それが地元の大手企業に評価され、大口商談のきっかけとなったという話もあります。
地域販促の展開においてはその実施窓口を明確にしておくことが重要です。即効性の薄い活動のため、社内関与者への理解、コンセンサス獲得を粘り強く行なうことが実施に向けての最初のポイントとなります。
「施設開放」は自治体、住民から要請されることが多くなります。例えば、社内駐車場の休日の開放や、体育舘、プールの開放等です。手続き的には、利用対象者や開放時期・時間、使用料金や、事故発生時の責任の所在などを決めておきます。
「イベント協賛」は得意先や地域名士からの要請により総花的になりがちですが、優先順位を定め、限られた経営資源を効果的に配分することが大切です。必要であれば本社の支援を要請するのも継続のためのひとつの方法です。
また、受け身の地域参加ではなく、自ら協賛チャンスを発見、育成することも重要です。
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