
フランチャイズチェーン(FC)とは、本部企業(フランチャイザー)による運営の計画、指導、管理のもと、契約を結んだ加盟店(フランチャイジー)が商標や商品・サービス、経営のノウハウを受け、販売活動を行う事業形態です。主なFCとしては、セブン-イレブンやローソンなどのコンビニエンスストア、モスバーガーや牛角などの外食産業などが挙げられます。
ボランタリーチェーン(VC)とは、商品の共同仕入れを目的として、小売業者や卸売業者が組織化した事業形態です。多くの場合、プライベートブランドを展開しています。主なVCとしては、全日食チェーン、シジシージャパンなどが挙げられます。
FCとVCは、ともに事業運営を行う本部と販売を行う加盟店から成り立ち、その相互協力によるネットワーク型の販売システムと言えます。ともに加盟店は資本的に独立しており、個々の加盟店の販売規模は小さくても、本部で仕入れを大量に行うので、「規模の経済性」(事業拡大に伴うコストの低下)が実現できるというメリットがあります。本部に戦略立案・管理機能が集中化されており、各々の加盟店は、本部の強力な指導のもとに置かれています。
両者の大きな違いはその組織構成の仕組みにあります。FCにおいては、まず本部企業が存在し、本部と加盟店の関係は一対一の契約で成立しているため、加盟店同士の横のつながりはありません。対して、VCの場合は、加盟店同士がチェーンオペレーションのメリットを得るために自主的に組織化しているので、横のつながりがあります。中小小売業が、個々の独立性を保ちながらも戦略的に連帯した事業形態が、VCといえるでしょう。
このように、双方ともチェーンオペレーションを採用しながらも、FCは本部である事業者が新店舗を増やすことで事業拡大を図っていくのに対し、VCは既存店同士が結びつくことによって事業の効率化を図るというように、その成り立ちは異なっています。
FC、VCともに、本部と加盟店が相互協力を維持、強化することが成功のポイントとなります。そのための条件としては、以下のものがあげられます。
FC成功のポイント
- 相互に尊重し、コミュニケーションをよくする
- 加盟店の経済的有効性を保証し続ける
- 本部は経営ノウハウを提供し続ける
- 経営ノウハウを加盟店に伝えるための伝え方ノウハウを確立する
- 加盟店は本部に頼りきらない
VC成功のポイント
- 主催者が強力なリーダーシップ体制を確立する
- 加盟店の規模をできるだけ統一する
- 加盟店相互が競合しないようテリトリー分割を行う
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