チャネルとは、商品が消費者と出会う場所を設定するための取引経路と定義できます。したがって、チャネル政策とは商品が消費者と出会う場所についての意思決定ということになり、チャネル設計とチャネル管理の意思決定を行うことということができます。
チャネル設計とは、チャネルに関して 1) 広狭 2) 長さ 3) 提供システムの三つの意思決定を行うことです。
ターゲット顧客がどのような流通サービス水準を望んでいるかを理解したうえで、提供システムの設計を基点として、広狭・長さを決めることです。
- 広狭は商品を扱う小売店をどのように設定するかで、開放型(できる限り多くの店を販売窓口とする)、選択型(何らかの基準で選別した店を対象)、排他型(極めて限定した店を対象)の三つの考え方があります。
- 長さはメーカーから最終顧客までの間に段階数をいくつ設けるかを決めることです。ゼロ段階は直接販売ということになり、消費財に多くみられる卸と小売りが存在する場合は2段階チャネルということになります。
- 提供システムはチャネルを通じて、どのような機能を提供するかを決めることです。ターゲット顧客の要望水準に合わせて設計されるべきで、卸、小売店や各々を連結する商流、物流、情報のシステムを担う提供機能を満たすように設計することが鍵となります。
商品の性格に合わせたチャネル起用が原則です。既存の取引先に商品を流しているだけではなく、市場・需要の変化に合わせて適切なチャネルを開発することが重要な課題となります。近年では、コンビニエンスストア、インターネットがその中心となっています。
関連用語
おすすめ新着記事
消費者調査データ コーヒー飲料(2024年3月版)独走「BOSS」、「ジョージア」との差を広げる
プラスが続くコーヒー飲料の市場についての調査結果をみると、23年調査に引き続き「BOSS」が全項目で首位を獲得、さらに2位の「ジョージア」とは、3ヶ月内購入で差を広げた。「BOSS」はエクステンションの「BOSS CRAFT」も高評価で、リーディングブランドとしての存在感を示している。
成長市場を探せ 3年連続で過去最高更新、拡大する麦茶飲料(2024年)
健康志向などを追い風に堅調な動きを続ける茶飲料市場のなかで、特に伸びている領域がある。3年連続で過去最高を更新した麦茶飲料だ。背景にあるのは、気候温暖化による毎年のような猛暑と、熱中症対策意識の高まりだ。
消費者調査データ カップめん(2024年3月版)独走「カップヌードル」、「どん兵衛」「赤いきつね/緑のたぬき」が2位争い
22年度、過去最高を更新した即席めん市場。その多くを占めるカップめんについての調査結果をみると、「カップヌードル」が絶対的な強さを示し、それを「赤いきつね/緑のたぬき」「日清のどん兵衛」が追う展開となった。一方で、節約志向を背景に、コストパフォーマンスに優れるPBの再購入意向も高い。