キユーピーの2021年11月期連結決算は、売上高4,070億円(前年比23.4%減)、営業利益280億円(同1.2%減)と減収減益となった。売上高は海外での外食需要の回復により受注が増加したものの、物流事業の持分法適用関連会社への移行により減収、利益面では海外の売上が増加したものの、主原料高騰の影響や物流事業の移行の影響により減益となった。 2019年に グループの長期ビジョン「キユーピーグループ 2030ビジョン」を策定、第1段階として19年度より3年間の中期経営計画を開始したものの、20年度は主原料の高騰影響、コロナの影響により、過去に例を見ない大幅な減益に。消費者の買い物行動が変化するなか、企業体質の転換を図るべく中期経営計画を2年で終了。21年度より新たに4年間の中期経営計画を開始し、 「商品」軸から「市場」を軸とする体制に移行、事業区分も変更した。事業別では、市販用事業は内食需要の高まりを受けて主力商品が伸長し増収増益。業務用事業は鶏卵相場の高騰影響によるタマゴ商品の販売価格上昇を受け増収したものの、コロナの影響で需要が減少し増収減益となった。海外事業は20年度に実施した北米タマゴ事業譲渡の影響があったものの、中国を中心としたコロナからの回復と、各エリアでの売上拡大や付加価値の高いドレッシングの販売が堅調に推移したことから増収増益となった。今後は中国・東南アジア・北米を中心に海外を成長ドライバーとして展開の拡大を進め、国内ではモノ視点から市場を軸としたお客様視点に転換し多様化するニーズに対応する。経営指標ではROE、営業利益率、海外売上高伸長率にこだわり、事業収益性の向上と資本効率性の向上の両輪で中期経営計画を推進していく。
参照コンテンツ
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- 戦略ケース キユーピー株式会社 -得意領域にこだわり需要変化に対応(1997年)
- 戦略ケース キユーピー株式会社 -メニュー提案システム(1992年)
- 戦略ケース キユーピー株式会社 -本質を見つめた商品開発へ(1990年)
- 戦略ケース キユーピー株式会社 -分社ネットで需要変化に対応(1987年)
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