
最近、男性用化粧品のTVCMや広告を見かける機会が増えた。新宿伊勢丹ではメンズコスメ専用の売り場があったりと注目度の高さがうかがえる。今回は男性の美容意識や化粧品の使用状況を、女性との対比も含めて調査した。
まず、半年以内におこなった美容に関する行動についてみてみる(図表1)。男性でもっとも多かったものは顔専用の洗顔フォームを使用しての洗顔で、4割以上の男性が実施していた。美容行動全般をみると、男性全体の半数以上が何かしらの美容行動を実施していることがわかる。洗顔フォームを1日1回以上使用する率は男性の場合40代がもっとも高く、50代がそれに続いた(図表2)。男性のほとんどの年代で3割以上が実施している。
また、1ヶ月に化粧品にかける金額は、20代男性で2,000円以上と回答した比率が高かった(図表4)。これは、同年代の女性と比較しても数%の差しかなく、20代男性の化粧品購入金額は女性にせまっているといえる。

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次に、美容に関する意識についてみてみた。スキンケアについての関心度を男女別で比較したところ、20代に関しては「非常に関心がある」と答えた男性が同年代女性とほぼ同率だった。「まあ関心がある」と答えた人も合わせると、20代男性の4割以上がスキンケアに関心を持っていることがわかった(図表5)。
「男性も肌はきれいな方が良い」「男性がスキンケアをしてもおかしくない」と思う計は男性では4割以上、女性では6~7割にのぼり、より高い比率であった。男性がスキンケアをすることに対しては、女性の方がより肯定的に捉えている人が多いことがわかる(図表6)。
また、スキンケアに関して「友人・仕事関係にメリットがある」と思う男性は20代で4割以上と特に高く、同年代女性より高かった(図表6)。男性全体と比較すると20~30代男性は特にその意識が高いことがわかる。
美容意識については男女差はあるものの、男性のどの年代でもスキンケアをしたり肌をきれいに保つ方がよいという意識が、20代から浸透しつつあることがうかがえる。

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次に、1ヶ月以内に使用した化粧品と、その頻度が1年前と比較してどう変わったかをみてみた。結果、7種類全てにおいて男性の「増えた計」が女性の「増えた計」よりも圧倒的に高くなっており、この1年以内で化粧品を使用する男性が増えたことがうかがえる。特にクレンジングについては増加率が5割を超えており、もっとも高い(図表7)。これは、これまで男性のスキンケアとして主流であったシェービングローションに限らず、女性同様、化粧品を使用する男性が増えてきたことが理由ではないかと予想される。女性と比較するとまだ少なくはあるものの、今後市場が伸長する可能性があることがうかがえる。
美容行動を行った理由として、実施した人ベースでみると「きれいな肌になりたいから」が20代男性の過半数だった(図表8)。 20代では周囲の人や有名人の影響を受けていることもわかる。男性の40代以降では「清潔感を重視しているから」の比率が女性よりも高い。また、30代男性の場合はアンチエイジング効果を求める率が約半数にのぼっており、女性を含むいずれの性別年代と比較してももっとも高い。

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続いて、現在の化粧品ユーザーベースで、使用しているブランドや選択理由をみてみた(図表9)。上位には男性向け化粧品として定着している「花王 ビオレ」「資生堂 UNO」「マンダム GATSBY」が入った。ここで注目したいのは女性向けブランドとして広く知られている「資生堂 エリクシール」も5位にあがっている点である。今後購入したいブランドとしても6位となっており、男性向けブランドに限らず使用したいと考えていることがわかる。ブランド選択の理由として、男性には企業イメージのよさがもっとも重視されており、女性の倍以上であった(図表11)。他にも「技術力」「トップシェア」「広告や宣伝のモデル」が女性よりも高かった。
女性がもっとも重視するコスパや機能性より、従来から持っているブランドに対するイメージやいつも使っていることへの安心感などが、男性が化粧品ブランドを選択するきっかけになっていると考えられる。
20代男性の美容意識の高さや、30代以降の清潔感に対する意識、アンチエイジングへの関心の高まり等から男性用化粧品は種類、規模ともに今後成長が期待できる市場だといえるだろう。

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- 20代男性の3割以上が1ヶ月に2,000円以上化粧品購入
- 20代男性の美容意識は20代女性とほぼ同等
- 男性の化粧品使用、7種類全てで1年前より使用頻度が増加
- 「男性向け」にこだわらない化粧品ブランドの選択
* 業界クリップ 2022年10月(全7頁)
- 消費者の動き 【消費心理の悪化が鮮明化】
- 売れている食品・メニュー 【お歳暮商戦にも値上げの影響】
- 東京市場 【植物由来ナゲットのキャンペーン】
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