半歩先を読む日本最大級のマーケティングサイト J-marketing.net

公開日:2022年11月30日

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第148号
20代男性の4割がスキンケアに関心!
女性に迫る勢いで拡がるメンズ美容


本コンテンツは、食生活についての消費者への独自調査をもとに、その分析結果をまとめたオリジナルコンテンツです。有料会員の方は、調査結果の分析パートと、主要各紙から食生活のトレンドを整理した業界クリップの2部構成でお届けするレポート形式のPDFダウンロードがご利用いただけます。


1.20代男性の3割以上が1ヶ月に2,000円以上化粧品購入

 最近、男性用化粧品のTVCMや広告を見かける機会が増えた。新宿伊勢丹ではメンズコスメ専用の売り場があったりと注目度の高さがうかがえる。今回は男性の美容意識や化粧品の使用状況を、女性との対比も含めて調査した。

 まず、半年以内におこなった美容に関する行動についてみてみる(図表1)。男性でもっとも多かったものは顔専用の洗顔フォームを使用しての洗顔で、4割以上の男性が実施していた。美容行動全般をみると、男性全体の半数以上が何かしらの美容行動を実施していることがわかる。洗顔フォームを1日1回以上使用する率は男性の場合40代がもっとも高く、50代がそれに続いた(図表2)。男性のほとんどの年代で3割以上が実施している。

 また、1ヶ月に化粧品にかける金額は、20代男性で2,000円以上と回答した比率が高かった(図表4)。これは、同年代の女性と比較しても数%の差しかなく、20代男性の化粧品購入金額は女性にせまっているといえる。

図表
高画質版の図表はレポートダウンロードをご利用ください


2.20代男性の美容意識は20代女性とほぼ同等

 次に、美容に関する意識についてみてみた。スキンケアについての関心度を男女別で比較したところ、20代に関しては「非常に関心がある」と答えた男性が同年代女性とほぼ同率だった。「まあ関心がある」と答えた人も合わせると、20代男性の4割以上がスキンケアに関心を持っていることがわかった(図表5)。

 「男性も肌はきれいな方が良い」「男性がスキンケアをしてもおかしくない」と思う計は男性では4割以上、女性では6~7割にのぼり、より高い比率であった。男性がスキンケアをすることに対しては、女性の方がより肯定的に捉えている人が多いことがわかる(図表6)。

 また、スキンケアに関して「友人・仕事関係にメリットがある」と思う男性は20代で4割以上と特に高く、同年代女性より高かった(図表6)。男性全体と比較すると20~30代男性は特にその意識が高いことがわかる。

 美容意識については男女差はあるものの、男性のどの年代でもスキンケアをしたり肌をきれいに保つ方がよいという意識が、20代から浸透しつつあることがうかがえる。

図表
高画質版の図表はレポートダウンロードをご利用ください


3.男性の化粧品使用、7種類全てで1年前より使用頻度が増加

 次に、1ヶ月以内に使用した化粧品と、その頻度が1年前と比較してどう変わったかをみてみた。結果、7種類全てにおいて男性の「増えた計」が女性の「増えた計」よりも圧倒的に高くなっており、この1年以内で化粧品を使用する男性が増えたことがうかがえる。特にクレンジングについては増加率が5割を超えており、もっとも高い(図表7)。これは、これまで男性のスキンケアとして主流であったシェービングローションに限らず、女性同様、化粧品を使用する男性が増えてきたことが理由ではないかと予想される。女性と比較するとまだ少なくはあるものの、今後市場が伸長する可能性があることがうかがえる。

 美容行動を行った理由として、実施した人ベースでみると「きれいな肌になりたいから」が20代男性の過半数だった(図表8)。 20代では周囲の人や有名人の影響を受けていることもわかる。男性の40代以降では「清潔感を重視しているから」の比率が女性よりも高い。また、30代男性の場合はアンチエイジング効果を求める率が約半数にのぼっており、女性を含むいずれの性別年代と比較してももっとも高い。

図表
高画質版の図表はレポートダウンロードをご利用ください


4.「男性向け」にこだわらない化粧品ブランドの選択

 続いて、現在の化粧品ユーザーベースで、使用しているブランドや選択理由をみてみた(図表9)。上位には男性向け化粧品として定着している「花王 ビオレ」「資生堂 UNO」「マンダム GATSBY」が入った。ここで注目したいのは女性向けブランドとして広く知られている「資生堂 エリクシール」も5位にあがっている点である。今後購入したいブランドとしても6位となっており、男性向けブランドに限らず使用したいと考えていることがわかる。ブランド選択の理由として、男性には企業イメージのよさがもっとも重視されており、女性の倍以上であった(図表11)。他にも「技術力」「トップシェア」「広告や宣伝のモデル」が女性よりも高かった。

 女性がもっとも重視するコスパや機能性より、従来から持っているブランドに対するイメージやいつも使っていることへの安心感などが、男性が化粧品ブランドを選択するきっかけになっていると考えられる。

 20代男性の美容意識の高さや、30代以降の清潔感に対する意識、アンチエイジングへの関心の高まり等から男性用化粧品は種類、規模ともに今後成長が期待できる市場だといえるだろう。

図表
高画質版の図表はレポートダウンロードをご利用ください


レポートダウンロード

レポートのPDFダウンロードには有料の会員登録が必要です。


* オリジナル調査結果の分析 構成(全4頁)
  1. 20代男性の3割以上が1ヶ月に2,000円以上化粧品購入
  2. 20代男性の美容意識は20代女性とほぼ同等
  3. 男性の化粧品使用、7種類全てで1年前より使用頻度が増加
  4. 「男性向け」にこだわらない化粧品ブランドの選択

* 業界クリップ 2022年10月(全7頁)
  1. 消費者の動き        【消費心理の悪化が鮮明化】
  2. 売れている食品・メニュー  【お歳暮商戦にも値上げの影響】
  3. 東京市場          【植物由来ナゲットのキャンペーン】
  4. 地産地消          【「横手焼きそば」の海外加盟店】
  5. 食品企業の経営       【コストの見通しが業績に影響】
  6. 製品開発          【ケンタッキーがバーガーを強化】
  7. 価格政策          【11月以降も値上げ続く兆し】
  8. プロモーション       【日清食品の「完全メシ」がスギ薬局と連携】
  9. チャネル政策・チャネル動向 【小売がPBによる価格訴求を強化】
  10. ヘッドラインクリップ    2022年10月の動向



最新バックナンバー


参照コンテンツ


おすすめ新着記事



J-marketingをもっと活用するために
無料で読める豊富なコンテンツ プレミアム会員サービス 戦略ケースの教科書Online


新着記事

2024.10.10

24年8月は「完全失業率」は改善、「有効求人倍率」は悪化

2024.10.09

24年8月の「消費支出」は4ヶ月連続のマイナスに

2024.10.09

24年8月の「家計収入」は4ヶ月連続のプラス

2024.10.08

企業活動分析 味の素の24年3月期は販売単価の上昇や為替の影響で過去最高益を更新

2024.10.07

MNEXT 価値の根拠は何か―欲望を充当するもの(要約版)

2024.10.07

企業活動分析 株式会社ニトリHD24年3月期は決算期変更の影響もあり減収減益

2024.10.04

消費者調査データ 紅茶飲料(2024年10月版) 首位「午後の紅茶」、「紅茶花伝」に水をあける

2024.10.03

24年9月の「乗用車販売台数」は2ヶ月ぶりのプラス

2024.10.02

24年8月の「新設住宅着工戸数」は4ヶ月連続のマイナス

2024.10.01

MNEXT 日本人消滅論の錯覚―世相批判の論理(2024年)

2024.09.30

企業活動分析 しまむらの24年2月期は全事業で既存店1店舗当たりの売上高が上昇し増収増益へ

2024.09.30

企業活動分析 ファーストリテイリング23年8月期は売上・営業利益ともに3期連続で過去最高を達成

2024.09.30

消費からみた景気指標 24年7月は7項目が改善

2024.09.30

24年8月の「ファーストフード売上高」は42ヶ月連続のプラスに

2024.09.30

24年8月の「ファミリーレストラン売上高」は30ヶ月連続プラス

2024.09.27

24年8月の「コンビニエンスストア売上高」は9ヶ月連続のプラスに

2024.09.27

24年8月の「全国百貨店売上高」は30ヶ月連続のプラス、高額品やインバウンドがけん引

2024.09.27

24年8月の「チェーンストア売上高」は既存店で再びプラスに

2024.09.26

24年7月の「旅行業者取扱高」は19年比で72%に

2024.09.26

24年7月の「広告売上高」は、3ヶ月連続のプラス

2024.09.25

24年7月の「商業動態統計調査」は4ヶ月連続のプラス

2024.09.24

MNEXT 価値で捉え、群れ集団を狙えー2025年のマーケティング

2024.09.24

24年8月の「景気の先行き判断」は5ヶ月ぶりに50ポイント超え

2024.09.24

24年8月の「景気の現状判断」は6ヶ月連続で50ポイント割れに

2024.09.20

消費者調査データ ミネラルウォーター(2024年9月版) 全項目首位「サントリー 天然水」、リピート意向の高いPB

週間アクセスランキング

1位 2024.10.01

MNEXT 日本人消滅論の錯覚―世相批判の論理(2024年)

2位 2017.09.19

MNEXT 眼のつけどころ なぜ日本の若者はインスタに走り、世界の若者はタトゥーを入れるのか?

3位 2024.03.13

戦略ケース なぜマクドナルドは値上げしても過去最高売上を更新できたのか

4位 2009.05.08

中国市場の現在 世界一は中国一になれるか?-ウォルマートの上海進出

5位 2024.03.08

消費者調査データ カップめん(2024年3月版)独走「カップヌードル」、「どん兵衛」「赤いきつね/緑のたぬき」が2位争い

パブリシティ

2023.10.23

週刊トラベルジャーナル2023年10月23日号に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事「ラーケーションへの視点 旅の価値問い直す大事な切り口」が掲載されました。

2023.08.07

日経MJ「CM裏表」に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事が掲載されました。サントリー ザ・プレミアム・モルツ「すず登場」篇をとりあげています。

ENGLISH ARTICLES

2023.04.17

More than 40% of convenience store customers purchase desserts. Stores trying to entice shoppers to buy desserts while they're shopping.

2023.02.22

40% of men in their 20s are interested in skincare! Men's beauty expanding with awareness approaching that of women

2022.11.14

Frozen Foods' Benefits Are Expanding, and Child-raising Women Are Driving Demand

2022.09.12

The Penetration of Premium Beer, and a Polarization of the Growing Beer Market

2022.06.20

6.9 Trillion Yen Market Created By Women― Will Afternoon Tea save the luxury hotels in the Tokyo Metropolitan Area