2016年の国内一人当たりコーヒー消費量は、全体では微減となりましたが、レギュラーコーヒーは7.2%増となりました。飲用場所では「喫茶店・コーヒーショップ」「レストラン・ファストフード」などが増えており、家庭外で本格的なコーヒーを飲むシーンが増加しているといえます(出所:全日本コーヒー協会)。
今回は、当社が任意に選んだ27のコーヒーチェーンについて、「知っている(認知率)」「自宅や会社・学校の近くにある(近隣立地)」「利用したことがある(利用経験)」「今後(も)利用したい(利用意向)」などの項目についてインターネットモニターに対して行った調査結果をランキング形式でお届けします。
今回の調査では、6項目中再利用意向を除く5項目で「スターバックスコーヒー(以下スターバックス)」が首位を獲得、また「ドトールコーヒー(以下ドトール)」が全項目で2位となった。「スターバックス」は、利用経験で2位の「ドトール」に9.5ポイント、3ヶ月内利用で3.9ポイント、今後の利用意向で5.7ポイントの差をつけており、単一チェーンとしては国内最大の店舗数(「スターバックス」:国内1,328店(2017年12月末現在)、「ドトール」同1,121店(2018年1月末現在))を支えるユーザー層のボリュームを印象付ける結果である。
しかし、前回(2015年12月版)と比較すると、3ヶ月内利用や今後の利用意向での「ドトール」との差は縮小傾向で、ユーザーの満足度の指標である再利用意向にいたっては、わずか1ポイントながら「ドトール」が「スターバックス」を上回る結果となった。
この再利用意向で首位を獲得したのは、2015年にサードウェーブコーヒーの旗手として日本上陸を果たした「ブルーボトルコーヒー」である。国内の展開店舗が7店(3月23日に8店目を京都に出店予定)とまだ少ないことから、利用者ベースは33名に留まるが、その再利用意向は63.6%と、「スターバックス」「ドトール」を僅差で上回った。
また、再利用意向で4位から6位は、「椿屋珈琲店」「コメダ珈琲店」「星乃珈琲店」といったフルサービス型のチェーンがランクインしている。
シアトル系コーヒーチェーンの嚆矢として「スターバックス」が日本上陸を果たしてから20年余り、快進撃を続けてきたが、ここへきて、フルサービス型の喫茶店やサードウェーブコーヒー店の追撃を受け、独走態勢には陰りも感じられる。「スターバックス」は、一部店舗で扱っているハイクラスコーヒー豆、「スターバックス・リザーブ」の専門店をシアトル本社内にオープン、「ドトール」もあらたにハイクラスのコーヒー豆を使用する「ドトール珈琲農園」を都内にオープンした。新たな展開をみせはじめたコーヒーチェーンの動きが注目される。
- ブルーボトルコーヒー
- ゴリラコーヒー
- カフェ ネスカフェ
- ドトールコーヒー
- スターバックスコーヒー
- タリーズコーヒー
- セガフレード・ザネッティ
- エクセルシオール・カフェ
- サンマルクカフェ
- プロント
- ベックスコーヒーショップ
- シアトルズベストコーヒー
- カフェ・ド・クリエ
- カフェ・ベローチェ
- カフェミラノ
- カフェ・コロラド
- ブレンズコーヒー
- コナズコーヒー
- ニューヨーカーズカフェ
- ホリーズカフェ
- 珈琲館
- UCC上島珈琲店
- 喫茶室ルノアール
- コメダ珈琲店
- ミヤマ珈琲
- 星乃珈琲店
- 椿屋珈琲店
調査期間:2018年2月21日~26日
調査対象者:当社インターネットモニター 20歳~69歳
全国の男女個人
有効回収サンプル数:1,026サンプル
サンプル構成(%)
参照コンテンツ
- 戦略ケース コーヒーチェーン競争の行方 進む異業種とのボーダレス化(2018年)
- 戦略ケース なぜ今"昭和型"コーヒーチェーンが増えているのか(2015年)
- 戦略ケース 勝者なきセルフ式コーヒーチェーン店の競争(2013年)
- 戦略ケース スターバックスの復活と新たな時代への挑戦(2015年)
おすすめ新着記事
成長市場を探せ V字回復で2年連続過去最高更新の炭酸飲料(2024年)
炭酸飲料が伸びている。2020年はコロナ禍で前年割れとなったが、翌21年にはコロナ前の水準に迫り、22年、23年と2年連続で過去最高を更新した。
「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 「紅麹サプリ問題」認知率は86%! 消費者の健康食品選びに変化
コロナが明けて需要が戻った健康食品市場だったが、2024年3月に「紅麹サプリ問題」が起こった。そこで、健康食品の利用と、「紅麹サプリ問題」を受けて消費者の行動がどう変化したかを調査した。
消費者調査データ 茶飲料(2024年9月版) 抜群の強さ「お~いお茶」、大手3ブランドが熾烈な2位争い
2年連続のプラスとなった茶飲料市場の調査結果をみると、トップブランドの「お~いお茶」が全項目で首位、大手飲料メーカーの緑茶ブランド3点が熾烈な2位争いを繰り広げている。一方、再購入意向のランキングでは、麦茶ブランドが上位に入った。