
2020年の炭酸飲料の生産者販売金額は、7,148億円で前年比95.1%で着地した(全国清涼飲料連合会)。
今回は、当社が任意に選んだ炭酸飲料32ブランドについて、「知っている(認知率)」、「買って飲んだことがある(経験率)」、最近3ヶ月以内における「広告・記事を見たことがある(広告接触)」「店頭などで見たことがある(店頭接触)」、「3ヶ月以内に買って飲んだ(3ヶ月内購入)」、さらに「今後(も)買って飲みたい(今後意向)」と「購入経験者における今後の購入意向(再購入意向)」という7項目について、インターネットモニターに対して行った調査結果をランキング形式でお届けする。
今回のランキングでも、前回(2020年7月版)と同様、「コカ・コーラ(日本コカ・コーラ)」が、再購入意向を除く6項目で首位を獲得した。2位との差は、認知で11.4ポイント、広告接触で17.7ポイント、店頭接触で18.5ポイント、購入経験で12.3ポイント、3ヶ月内購入で9.2ポイント、今後の意向で8.1ポイントとなっており、特に広告接触や店頭接触などで差が大きい。
2位以下には「三ツ矢サイダー(アサヒ飲料)」、「ファンタ(日本コカ・コーラ)」、「ウィルキンソン タンサン(アサヒ飲料)」、「スプライト(日本コカ・コーラ)」などが項目ごとに順位を変えながらランクインしている。「コカ・コーラ」も含め、ロングセラーの有糖炭酸が目立つ結果だ。
ところが再購入意向をみると、上位4ブランドが無糖炭酸水だ。それぞれ母数は少ないながら、60%を超える再購入意向を得ている。上位10位まで広げると7ブランドが無糖炭酸水、残りの3ブランドについても、2ブランドが糖類ゼロだ。糖類ゼロ、カロリーゼロなどが再購入意向のフックになっているとみられる。
コロナ禍で外出が減ったことなどにより、炭酸飲料を含む清涼飲料カテゴリーの多くが前年割れとなっているなか、無糖炭酸水は伸びているという。在宅勤務中のリフレッシュや、「コロナ太り」対策、家飲みの割り材などの「巣ごもり需要」が支えているとみられる。リフレッシュやストレス解消という点から、特に強炭酸が注目されており、メーカー各社も5月10日に日本コカ・コーラが「アイシー・スパーク from カナダドライ」を、サントリーが6月29日に「THE STRONG 天然水スパークリング」を発売するなど積極的に新製品を投入している。有糖炭酸に比べればまだ市場は小さいが、今後の伸びが期待される。
- 注目ランキング
-
- 3ヶ月内購入
- コカ・コーラ(日本コカ・コーラ) 21.6%
- ウィルキンソン タンサン(アサヒ飲料) 12.4%
- 三ツ矢サイダー(アサヒ飲料) 12.2%
- 再購入意向
- おいしい炭酸水(ポッカサッポロ) 72.0%
- トップバリュ炭酸水(イオン) 67.4%
- セブンプレミアム 強炭酸水 67.2%
- 3ヶ月内購入
詳細データのダウンロード
クロス集計表 サンプルイメージ
調査概要
提示32ブランド
- コカ・コーラ(日本コカ・コーラ)
- コカ・コーラ ゼロ(日本コカ・コーラ)
- コカ・コーラ プラス(日本コカ・コーラ)
- コカ・コーラ ゼロカフェイン(日本コカ・コーラ)
- ファンタ(日本コカ・コーラ)
- スプライト(日本コカ・コーラ)
- カナダドライ(日本コカ・コーラ)
- アイシー・スパーク from カナダドライ(日本コカ・コーラ)
- ペプシ ジャパン コーラ(サントリー)
- ペプシコーラ(サントリー)
- ペプシスペシャルゼロ(サントリー)
- オランジーナ / レモンジーナ(サントリー)
- C.C.レモン(サントリー)
- デカビタC (サントリー)
- 天然水スパークリング(サントリー)
- サントリー天然水 サイダー(サントリー)
- キリンメッツ 超刺激クリア(キリンビバレッジ)
- キリンメッツプラス(キリンビバレッジ)
- メッツ コーラ(キリンビバレッジ)
- キリンレモン(キリンビバレッジ)
- 三ツ矢サイダー(アサヒ飲料)
- 三ツ矢サイダーW (アサヒ飲料)
- ウィルキンソン タンサン(アサヒ飲料)
- アサヒ ドデカミン(アサヒ飲料)
- カルピスソーダ(アサヒ飲料)
- キレートレモン(ポッカサッポロ)
- おいしい炭酸水(ポッカサッポロ)
- がぶ飲みソーダ(ポッカサッポロ)
- フルーティス(ミツカン)
- セブンプレミアム 強炭酸水
- トップバリュ炭酸水
- みなさまのお墨付き 強炭酸水(西友)
調査設計
調査手法:インターネットリサーチ調査期間:2021年6月11日(金)~6月16日(水)
調査対象者:当社インターネットモニター 20歳~69歳
全国の男女個人
有効回収サンプル数:1,031サンプル
サンプル構成(%)



参照コンテンツ
- オリジナルレポート コロナ下とコロナ後の消費の展望(2021年)
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第131号
消費抑圧の反動 食品購入は高価格帯へシフト - 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第121号
在宅時間の増加で増えるおうちカフェこだわり派
おすすめ新着記事

星野リゾート進出が変えた「豊島区大塚」 ―官民連携で地域活性化の好事例
都心再開発の多くが完工する2030年頃にかけて、人の流れが大きく変化します。「豊島区大塚」もそのひとつで、官民一体の街づくりによって新たな観光スポットに生まれ変わりました。そもそも大塚といえば、良く言えば下町レトロ、、悪く言えばちょっといかがわしい街のイメージ。それが、2018年の星野リゾート進出によって一変しました。エリアマーケティングでは、大塚のような官民一体型の地域活性策も重要になってくるでしょう。

コロナ下でも強い「ビオレUV」、再購入意向は「スキンアクア」
2年連続で大幅縮小したサンケア市場。今年は、コロナ禍での規制緩和により外出機運も高まっており、再成長が期待されている。今回の調査も、過去同様「ビオレUV」が6項目で首位を獲得、盤石の強さをみせた。唯一首位を譲ったのが再購入意向で、「スキンアクア」が87%と圧倒的支持を獲得。各社も花粉ブロックやホワイトニングなど付加価値製品を投入しており、夏を目前にあつい戦いが予想される。

値上げの時代の生き残りマーケティング
2022年は経済の大きな転換期になりそうです。ようやく新型コロナのエンデミック化かと思えば、ウクライナ侵攻、値上げと、経済へのマイナスインパクトが続いています。これらは表面的な現象であり、根底は新たな経済、新しいグローバルな経済秩序への転換です。日本経済に大きな影響を与えるのは、利上げ、サプライチェーン寸断、コロナ、ウクライナ侵攻の四つです。これらの要因が供給と物価に影響を与え、需要をシュリンクさせ、消費市場を減少させることになります。この状況に、マーケティングとしてどう対応したらよいか、ということをお伝えします。



