商談が進んでクロージングの局面を迎えた際、売上単価アップを狙う工夫を心掛けているだろうか。購入の意思決定を行う段階が、お客様にとっても、その商品・サービスへの関心が高まっている。この好機を活かし、売上単価アップのための提案を行うことが肝心である。その方法には、クロスセルとアップセルというふたつがある。
クロスセルとは、お客様が購入しようとしている商品・サービスに関連するような商品・サービを一緒にお薦めして、購入する商品・サービスの点数を増やすことを通じて、売上単価の向上を狙うものである。ハンバーガーを買った人にポテトやドリンクを奨める、といった手法がこれにあたる。関連する商品・サービスを併せて利用することが、お客様のソリューションにより繋がる、ということを提案することがポイントである。また、クロスセルは、最初に販売する商品・サービスを基点に、周辺へとヨコに拡大するという考え方なので、関連する商品・サービスをすべて一度期に揃えて購入して頂かなくても、事後にもチャンスがある。既存顧客へのこれまでの取引実績や信頼関係を活かし、クロスセルを行う機会を探索することも重要である。
一方のアップセルは、例えば、現在お客様が購入を検討している商品・サービスよりも、グレードや機能などが上位にある高付加価値の商品・サービスを推奨し、販売することをいう。「ここまで予算をご検討でしたら、ワンランク上のこちらはいかがでしょうか?その方が...」といった提案である。アップセルのポイントは、高価格にはなるが、より高いソリューションが享受できるということを、最終的にお客様自身に納得してもらえるように提案することにある。高価であることの価値が説明できなければならない。
さて、最後に、このふたつの方法を組み合わせる視点も持っておきたい。最初に販売する商品・サービスを基点としながら、ワンランク上の商品・サービスへとアップセルを狙い、併せて、関連する商品・サービスのクロスセルを狙う。単価アップのため、お客様への情報提供をもっと工夫してはどうか。
参照コンテンツ
- マーケティング用語集 アップセリング、クロスセリング
- マーケティング用語集 CRM(Customer Relationship Management)
- マーケティング用語集 顧客満足(CS)
- マーケティング用語集 ライフタイムバリュー(LTV)
おすすめ新着記事

消費者調査データ ヨーグルト 首位は「明治ブルガリアヨーグルト」、再購入意向上位には機能性訴求商品が並ぶ
4年ぶりにプラスとなったヨーグルト市場。調査は明治ブルガリアヨーグルトの強さと、機能性を訴求したパーソナルサイズの再購入意向の高さが目立つ結果となった。

猛暑に伸びる、3年連続過去最高更新のミネラルウォーター
ミネラルウォーター市場は、コロナ禍の落ち込みからたった1年で成長軌道を取り戻し、2024年には前年比10.5%増の4,794億円余、過去最高を3年連続で更新した。背景にあるのは、続く猛暑の夏に伴う水分補給ニーズ、メガトレンドである健康志向、災害対応の備蓄などだ。

消費者調査データ 植物性ミルク 首位は「キッコーマン 豆乳」、再購入意向にはオーツやアーモンドミルクも
低カロリーで高栄養が支持され堅調に拡大する植物性ミルク。調査結果では「キッコーマン 豆乳」が全項目で首位となった。プレータイプの豆乳が上位に目立つが、再購入意向ではオーツやアーモンドミルクも上位に食い込んだ。


![戦略家のための知的羅針盤[エム・ネクスト]product by 松田 久一](/img/mnext-sub-title.png)