アップセリングとは顧客が検討しているものよりランクの高い製品・サービスの販売をすること、クロスセリングとは顧客が購買する、あるいはすでに利用している製品・サービスに関連するものを販売していくことを言います。それぞれ、アップセル、クロスセルとも呼ばれます。
たとえば、パソコンの購入者によりグレードの高い商品の販売促進をするのはアップセリングで、プリンタやデジタルカメラなどの周辺機器の販売促進をするのがクロスセリングとなります。自動車販売において、徐々にグレードの高いものを勧めていくのもアップセリングのも好例です。典型的なクロスセリングの成功例としては、Amazonが顧客の購入履歴などから関連情報を紹介することによって収益をあげている事例があげられます。身近な例では、ファーストフード店の「ご一緒にフライドポテトはいかがですか」、「〇〇円でラージサイズにできますが」というお勧めもクロスセリング、アップセリングということができます。
アップセリング、クロスセリングは既存顧客の継続購買の促進であり、個々の顧客に最適な対応を実施することにより顧客満足度と自社の利益を最大化しようというCRM(Customer Relationship Management)の考え方に基いて捉えることが重要になります。精度の高い顧客情報、顧客の購買履歴データベースの管理によって、効率的かつ効果的なアップセリング、クロスセリングが可能となり、顧客の満足も得てロイヤルティー効果を生み出すことにつながるからです。さらには生涯顧客として囲い込むことにもつながり、顧客生涯価値(LTV=life time value)という超長期的な視点からも、企業に収益をもたらす効果的な手法として注目されています。
関連用語
おすすめ新着記事
成長市場を探せ ビスケット市場、4年連続プラスで初の4,000億超えに(2024年)
緩やかに増減を繰り返してきたビスケット市場が伸びている。2020年から4年連続プラスで、2023年はついに4,000億円を超えた。コロナ下でも堅調な動きを見せ、2023年の販売金額は4,260億円で、コロナ前の2019年比で1.13倍となった。
消費者調査データ ノンアルコール飲料 首位は「ドライゼロ」、追う「オールフリー」「のんある気分」
2022年のノンアルコール飲料市場は8年連続で拡大を続け、過去最高と推定される。調査結果をみると、ビールテイストの「アサヒ ドライゼロ」が、全項目で首位を獲得したが、再購入意向ではカクテルテイストやワインテイストなどのブランドも上位に複数ランクイン、ノンアルコール飲料の幅の広がりを示している。
「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 20代男性の内食志向にマッチして伸びる冷凍餃子
数ある冷凍食品の中で圧倒的1位の生産量を誇る冷凍餃子は誰がなぜどのように購入しているのか調べてみた。餃子の選好度、購入頻度、購入増減とも20代が他の年代に比べて高く、冷凍餃子は若い年代が牽引して、拡大してきていることがわかった。