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(2016.06)
「戦略200+」比較分析ツール活用ガイド

 「戦略200+」比較分析ツールは、以下の項目を最大4社まで比較分析することができます。

  1. 業績(売上高・営業利益)1998年度以降
  2. 決算総括(最新年度)
  3. 現在の戦略/三つの基本戦略(最新年度)
  4. 強みと弱み(最新年度)
  5. 今後の課題と新しい競争優位の方向(最新年度)

 これらを活用し、自社・競合分析や業界研究をより充実した内容とすることができます。
 以下では、活用事例をご紹介します。


「戦略200+」比較分析ツールの活用事例 (1)タテの戦略を読む

 企業の戦略分析の基本は、「タテの戦略」を読むことである。

「タテの戦略」 とは、「過去の歴史を踏まえ、現在の危機を乗り越えるため、未来に向けて、会社の事業活動を革新する新しい方針や進路のこと」
※「ヨコの戦略」とは「横断的な一時点での、市場の機会と脅威を捉えて、目標を設定し、それを実現する事業活動に変えることである。」
(「比較ケースから学ぶ戦略経営」松田久一著、KADOKAWA)

 実際にキリンとサントリーを比較分析してみた。


図表1.業績推移(キリン、サントリー)


 キリンが売上、営業利益ともにサントリーを引き離していくのが、2007年以降である。業績の変化は、「戦略の転換点」である。戦略の局面を変えたのである。
 キリンの企業活動分析をみると、どのような戦略転換が起こったかがわかる。(企業活動分析「戦略経路分析」(キリン)を参照)


図表2.キリンの戦略経路分析(企業活動分析より)


 当社の分析では2007年から「攻勢的制度化」局面に入っていく。
 2006年に「キリン・グループビジョン2015」を発表し、事業多角化とグローバル化に突き進んでいく。

図表3.サントリーの戦略経路分析(企業活動分析より)


 その後、キリンの売上は停滞する。かわってサントリーが2011年ごろから大きな戦略転換を図る(企業活動分析「戦略経路分析」(サントリー)を参照)。サントリー食品インターナショナルを上場させると同時に、ビーム社買収、JTの飲料事業買収など国内外で総合酒類食品事業の新たな体制を構築した。この結果、キリンを連結売上高で追い抜いていったのである。
 2015年の「今後の課題と新しい競争優位の方向」を比較すると、キリンもサントリーもグローバルな総合酒類食品企業を目指していることがわかる。


図表4.今後の課題と新しい競争優位の方向(キリン、サントリー)


 戦略の転換点を読むことで、次の戦略方向がみえてくる。


「戦略200+」比較分析ツールの活用事例 (2)ヨコの戦略を読む

 短期的な企業間競争力・戦略を比較するのが、「ヨコの戦略」比較である。

「横断的な一時点での、市場の機会と脅威を捉えて、目標を設定し、それを実現する事業活動に変えることである。」
(「比較ケースから学ぶ戦略経営」松田久一著、KADOKAWA)

 では、イオンとセブン&アイを比較してみよう。ともに売上を伸ばしているが、成長の原動力が違うからである。


図表5.業績推移(イオン、セブン)


図表6.現在の戦略/三つの基本戦略(イオン、セブン)


 イオンはグループ戦略として「アジアシフト」「都市シフト」「シニアシフト」「デジタルシフト」をすすめ、グループ総体で成長していく戦略である。
 セブン&アイは、「オムニチャネル」「新規事業開発と既存事業活性化」「グループ機能の高度化」を掲げている。
 いずれもグループ総合力で成長してきたといえる。
 一方、営業利益では大きな格差がある。これは、強みと弱みの違いであることが比較するとわかる。


図表7.現在の強みと弱み(イオン、セブン)


 セブン&アイは、高収益事業のセブン・イレブンを中核として、PB育成などグループシナジーが発揮できる点が高収益をもたらしている。
 一方、イオンは、モールの集客・開発力や金融事業が強みとなっているものの売場効率やモールの核となるGMS業態の利益率の低さ、CVS事業の弱さが低収益となっている。

 このように、現在の戦略や強み・弱みを比較することで、短期的な業績の差の要因が見えてくるのである。

(注記)図表は編集部にて加工しています。


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