ぴあ株式会社の2018年3月期の連結決算は、売上高1,635億円(前期比7.0%増)、営業利益12億円(前期比29.4%減)と増収減益であった。国内ライブ・エンタテインメント市場については、興行回数やチケット単価が上昇する一方、大型ホール・劇場不足による物理的な制約条件により、音楽ジャンルを中心に成長トレンドが抑制されている状況が生じている。その中で、ぴあ株式会社は音楽・スポーツ・演劇等の主要ジャンルを中心にインターネットでのチケット販売が好調に推移し、売上高は3期連続して増収基調を辿り、過去最高値を更新した。一方で営業利益は、人気興行の獲得経費増による粗利額の減少、販管費増に加え、セキュリテイ強化に向けた組織・システム両面での対策費用増による減少幅を補うことが難しく減益になった。現状ではチケット販売関連事業に売り上げが集中しているが、2017年12月には、大型ホール不足問題解消の一助として、横浜・みなとみらい地区での新音楽アリーナを着工し、会場運営事業の立ち上げを進めている。中期事業計画の1年目となる2018年度は、チケット流通を軸としつつ、主催興行の拡充を図り、ぴあならではのバリューチェーンの成立を目指していく。また、売上高1,650億円、営業利益12.5億円を目標とする。
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