半歩先を読む日本最大級のマーケティングサイト J-marketing.net


 消費支出と小売販売はともに、回復のプロセスが一旦腰折れとなってはいますが、消費税増税後も雇用と収入は回復傾向にあり、物価上昇の動きも落ち着きつつあります。低迷が続いた消費マインドにも再び回復の動きがみられており、消費にとっての追い風材料も徐々に増えているようです。
 公表されている経済指標を見ると、輸出の堅調さと民間最終消費支出の回復ぶりがプラス成長に寄与しつつも、民間企業設備投資や民間住宅投資の不振と在庫調整の進展が、成長の足を引っ張っています。企業側での在庫調整・生産調整の動きが本格化する可能性も高いです。
 今後の日本経済の見通しとして、2015年度は各機関で見方が分かれ、有力なシナリオは固まっていませんが、雇用・収入環境の堅調ぶりと消費マインドの回復基調から、消費回復の条件は出揃いつつあります。内外からのダウンサイド・リスクが顕在化しない限りは、やがて消費にも復調の気配が見えてくると期待されます。

 今号の概要は以下のとおりです。
 「Economic Outlook for Japan-消費復調への条件は整いつつある」では、前号が発刊された2014年10月以降の経済情勢を整理し、雇用・収入環境の堅調ぶりと消費マインドの回復基調から、復調への条件が出揃いつつある日本の景気と消費の現状と今後を概観します。
 「格差消費-再階層化社会の下での消費の姿」では、格差を巡る議論の中で関心を寄せられてこなかった「消費の格差」に着目し、格差を測る新たな指標に基づき幅広い支出項目を対象に支出水準の格差を評価するとともに、消費の格差が収入や資産の格差とどう関連しているのかを検討します。
 「格差拡大と階層化に関する論考-Thomas Piketty『Capital in the Twenty-First Century』を手がかりに-」では、全世界的なブームを巻き起こしたトマ・ピケティの『21世紀の資本』の概要を紹介し、著名な経済学者による論評をもとに『21世紀の資本』の成果と課題を明らかにするとともに、日本という立ち位置からの理解と評価をベースに、格差拡大や階層化の進展が日本経済に及ぼす影響を考察します。

 2015年晩春、日本経済の底流で生起しつつある変化の予兆を捉えて、一歩先を見据えた戦略的判断と行動の一助となることを企図して、「消費経済レビュー」第26号を実務家のみなさまにお届けいたします。

(2015.04)


「消費経済レビュー」販売開始について

消費経済レビューはプレミアム会員専用のフリーダウンロードでのご提供となります。

書籍のお求めは、全国の政府刊行物サービスセンターもしくは、当社サイトの「JMR Books」をご利用ください。

プレミアム会員にご登録の方は、フリーダウンロードにて全文をご覧下さい。


消費経済レビュー  Vol.26



Economic Outlook for Japan -消費復調への条件は整いつつある
 【要旨】
  1. 日本の経済の現状
  2. 2015年度の経済と消費の見通し
  3. 消費者における経済の現状認識と見通し
  4. 消費動向評価
  5. 2015年度 日本経済のシナリオの分岐点
格差消費-再階層化社会の下での消費の姿
 【要旨】
  1. 際立つ消費の格差
  2. 分かれる消費のクラス・パターン
  3. 消費者の生活全般へと広がりをみせるクラス性
  4. 結語
格差拡大と階層化に関する論考- Thomas Piketty『Capital in the Twenty-First Century』を手がかりに
 【要旨】
  1. Thomas Piketty『Capital in the Twenty-First Century』:主要な結論
  2. Piketty(2014) で示された「Stylized Facts」(=定型化された事実)
  3. Piketty(2014) を巡る評価
  4. 考察-日本における格差の状況と見通し
  5. 結語

新着記事

2024.12.13

成長市場を探せ コロナ禍の壊滅的状況からV字回復、売上過去最高のテーマパーク(2024年)

2024.12.12

24年10月の「家計収入」は再びプラスに

2024.12.12

24年10月の「消費支出」は6ヶ月連続のマイナスに

2024.12.11

提言論文 価値スタイルによる生活の再編と収斂

2024.12.10

24年10月は「有効求人倍率」は改善、「完全失業率」は悪化

2024.12.09

企業活動分析 江崎グリコ株式会社 23年12月期は国内外での売上増などで増収増益達成

2024.12.09

企業活動分析 日清食品ホールディングス株式会社 24年3月期は価格改定浸透で増収、過去最高益達成

 

2024.12.06

消費者調査 2024年 印象に残ったもの 「大谷選手」「50-50」、選挙も五輪も超えてホームラン!

2024.12.05

24年11月の「乗用車販売台数」は3ヶ月ぶりのマイナス

2024.12.04

提言論文 本格消費回復への転換-価値集団の影響力拡大

2024.12.03

24年10月の「新設住宅着工戸数」は6ヶ月連続のマイナス

2024.12.02

企業活動分析 イオン株式会社 24年2月は、営業収益・営業利益ともに過去最高を更新し増収増益

2024.12.02

企業活動分析 宝ホールディングス株式会社 24年3月期は、バイオ事業不調により減収減益

2024.12.02

企業活動分析 TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company Limited)  23年12月期は減収減益、事業構造の転換へ

2024.11.29

月例消費レポート 2024年11月号 消費は一旦足踏み状態となっている-政策転換を消費回復への新たな起爆剤に

2024.11.29

24年10月の「ファミリーレストラン売上高」は32ヶ月連続プラス

2024.11.29

24年10月の「ファーストフード売上高」は44ヶ月連続のプラスに

2024.11.28

消費者調査データ No.417 シャンプー(2024年11月版) 「ラックス」と「パンテーン」、激しい首位争い

週間アクセスランキング

1位 2024.11.06

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 伸長するパン市場  背景にある簡便化志向や節約志向

2位 2024.02.02

成長市場を探せ コロナ禍乗り越え再び拡大するチョコレート市場(2024年)

3位 2024.05.10

消費者調査データ エナジードリンク(2024年5月版)首位は「モンエナ」、2位争いは三つ巴、再購入意向上位にPBがランクイン

4位 2024.03.08

消費者調査データ カップめん(2024年3月版)独走「カップヌードル」、「どん兵衛」「赤いきつね/緑のたぬき」が2位争い

5位 2024.03.13

戦略ケース なぜマクドナルドは値上げしても過去最高売上を更新できたのか

パブリシティ

2023.10.23

週刊トラベルジャーナル2023年10月23日号に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事「ラーケーションへの視点 旅の価値問い直す大事な切り口」が掲載されました。

2023.08.07

日経MJ「CM裏表」に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事が掲載されました。サントリー ザ・プレミアム・モルツ「すず登場」篇をとりあげています。

ENGLISH ARTICLES

2023.04.17

More than 40% of convenience store customers purchase desserts. Stores trying to entice shoppers to buy desserts while they're shopping.

2023.02.22

40% of men in their 20s are interested in skincare! Men's beauty expanding with awareness approaching that of women

2022.11.14

Frozen Foods' Benefits Are Expanding, and Child-raising Women Are Driving Demand

2022.09.12

The Penetration of Premium Beer, and a Polarization of the Growing Beer Market

2022.06.20

6.9 Trillion Yen Market Created By Women― Will Afternoon Tea save the luxury hotels in the Tokyo Metropolitan Area