2007年も半ばを過ぎ、これまで息の長い好景気を謳歌してきた日本経済にも、やや足踏み感が出始めています。2007年第2四半期のGDP成長率はマイナス成長を記録、「輸出」「設備投資」「個人消費」の3本柱のいずれにおいても成長率の失速感が鮮明化しつつあります。 2007年度の日本経済の情勢については、設備投資に若干陰りが見えはするものの、外需と消費に支えられて安定成長が続くというのが、現時点での大勢の見方です。ただ、足許の経済指標の動きを見ると強弱両方の材料が出始めており、景気の先行きに対する見通しも、これまでの楽観基調から中立方向への変化の兆しがうかがわれます。 日本経済の底流で生起しつつある変化の予兆を捉えて、一歩先を見据えた戦略的判断と行動の一助となることを企図して、このたび「消費経済レビュー」第7号を発刊いたします。 第I部では、前号が発刊された2007年6月以降の経済情勢を整理し、今後の日本経済を読む鍵を提示します。 第II部では、弊社モニター調査をもとに、貯蓄率上昇の背景にある大型耐久財への支出拡大の予兆を概観するとともに、期待される消費拡大へのインパクトについて推計を試みております。 第III部では、マクドナルドが先鞭をつけた地域間価格差別化について、経済学の観点からの分析・検証を試み、地域間格差の拡大が地域間価格差別化そのものの有効性を高めていることを明らかにしております。 第IV部では、近年注目を浴びている、リンクマイニングを中心としたネットワーク分析の新手法についてサーベイを行うとともに、リンクマイニングに期待される今後の応用・発展の方向性について考察を加えております。 2007年中秋、来るべき冬の厳しさに備えて次なる一手を模索する、実務家のみなさまにお届けいたします。
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