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消費経済レビュー
II.上昇する貯蓄率から垣間見える
大型耐久財支出への胎動


 目下、消費は絶対水準では伸びていても、収入から消費へ振り向ける割合は低下している。本稿では、(収入に対する消費の割合を示す)消費性向の低下、すなわち貯蓄率の上昇が今後の消費低迷のシグナルとなるかどうか、貯蓄動機との関連を踏まえ検証を試みた。
 貯蓄率上昇は個人収入増加層でより顕著であり、中でも、収入条件が良好な、男性エイティーズ以下、男性ポストバブル、男性団塊ジュニアの3セグメントが、貯蓄率上昇の主たる牽引役となっている。これら3セグメントを中心とする貯蓄率上昇層では、「住宅や土地の購入資金」「自動車や二輪車などの購入資金」などのような、大型耐久財支出動機の貯蓄がより強めに出ている。
 貯蓄率上昇層では、支出そのものの増加意欲が強いばかりでなく、「自動車&大型バイク・スクーター」「一戸建て住宅&マンション」などの大型耐久財への支出意欲も顕著に高い。貯蓄率上昇層で増えた貯蓄は、将来実現される支出への待機資金と位置づけられる。
 大型耐久財支出の購入予定時期を見ると、不動産以外の大型耐久財では、今後3年以内での支出の発現が見込まれる。不動産の中でも「居住用マンション」は、その他の不動産よりも早く、今後3年以内に発現する可能性が高い。
 大型耐久財支出は互いにバッティングする傾向が認められ、マンション・戸建て住宅は自動車&大型バイク・スクーターと、自動車&大型バイク・スクーターは薄型大画面テレビとバッティングする可能性が最も高い。
 大型耐久財支出が予定通りに全て実現された場合、その実現見込み額は、今後1年以内で5兆3,722億円、今後3年以内で13兆8,335億円と推計される。これにより、名目民間最終消費支出の伸び率は、今後1年以内では1.9%、今後3年以内では年率1.6%の上乗せが期待できる。
 「住宅や土地の購入資金」「自動車や二輪車などの購入資金」などの大型耐久財への支出が今後数年内に実現されれば、消費は更なる拡大を続けることが見込まれる。ただし、消費マインドの悪化を契機に大型耐久財への支出が先送りとなる恐れもあり、この点は消費の先行きに対する警戒材料として注意を要する。

(2007.10)


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