ソーシャル・キャピタル(social capital)とは、「社会的ネットワーク」* とそこから発生する「規範」と「信頼」のことです。日本語では「社会関係資本」と訳されています。道路、空港、港湾など社会基盤(インフラ)を意味する「社会資本」とはまったく別の概念です。
ソーシャル・キャピタルが、近年、世界的に注目を集めているのは、ソーシャル・キャピタルの増減が、国民生活の質(社会治安、教育、健康増進などさまざま)に影響を及ぼすということが、実証されているからです。具体的には、人口に占めるボランティア活動行動者の比率が多い都道府県ほど、犯罪発生率、失業率が低く、出生率が高くなっています。日本でも内閣府を中心に、NEET・ひきこもり問題や団塊世代大量定年問題の対策として市民団体活動の促進やコミュニティの再生のキーワードとして論じています。
近年、インターネット上では、SNS(ソーシャルネットワークサービス)が人気ですが、このことは逆に、リアルなソーシャル・キャピタルが減少していることが背景のひとつにあると考えられます。今後もこうした人間関係の形成に着目したビジネスがリアル、バーチャルを問わず増加していくことが予想されます。
参照コンテンツ
おすすめ新着記事
成長市場を探せ ビスケット市場、4年連続プラスで初の4,000億超えに(2024年)
緩やかに増減を繰り返してきたビスケット市場が伸びている。2020年から4年連続プラスで、2023年はついに4,000億円を超えた。コロナ下でも堅調な動きを見せ、2023年の販売金額は4,260億円で、コロナ前の2019年比で1.13倍となった。
消費者調査データ ノンアルコール飲料 首位は「ドライゼロ」、追う「オールフリー」「のんある気分」
2022年のノンアルコール飲料市場は8年連続で拡大を続け、過去最高と推定される。調査結果をみると、ビールテイストの「アサヒ ドライゼロ」が、全項目で首位を獲得したが、再購入意向ではカクテルテイストやワインテイストなどのブランドも上位に複数ランクイン、ノンアルコール飲料の幅の広がりを示している。
「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 20代男性の内食志向にマッチして伸びる冷凍餃子
数ある冷凍食品の中で圧倒的1位の生産量を誇る冷凍餃子は誰がなぜどのように購入しているのか調べてみた。餃子の選好度、購入頻度、購入増減とも20代が他の年代に比べて高く、冷凍餃子は若い年代が牽引して、拡大してきていることがわかった。