ロングテールとは、AmazonやiTunesのようなインターネットを活用した販売において、アイテムを低コストで取り扱うことで、多品種少量販売で利益を上げられるという理論です。縦軸に販売数量、横軸にアイテムの販売数量の多い順にならべたときのグラフが長いしっぽが伸びるように見えるため、ロングテールと名づけられました。2004年10月に米Wired Magazine誌の当時編集長だったクリス・アンダーソンが同誌に書いた「the Long Tail」という記事が起源です。
ロングテールは、パレートの法則(80対20の法則)の対立概念です。パレートの法則によると、売上の8割は全顧客・全商品銘柄の内の優良な上位2割が生み出していると考えられ、ロングテール部分の商品や顧客は切り捨てられてきました。しかしロングテールでは、残りの8割の商品や顧客に着目しています。
ロングテールは、デジタル・エンターテインメント業界、インターネット広告業界によくみられます。そのような業界では、多品種の商品を取り扱う業者が、インターネットのような低コストなインフラで商品を提供しています。
例えば、Amazonの売上の3分の1はロングテール部分に該当する書籍の売上だといわれています。年に1冊しか売れないような書籍を、ネット販売や注文処理の効率化をすることで取り扱いを可能にし、広く浅い需要に対応しています。
ロングテールによって、上位の商品や顧客だけに着目してきたこれまでの考え方が見直されてきています。近年はロングテールを活用したビジネスの競争が加速しているため、多品種の中から消費者のニーズにマッチングした商品を容易に発見できる仕組みがあることが重要になってきています。
参照コンテンツ
- MNEXT ロングテール市場下のネクスト・マーケティング-ローカルの強みを生かしたブランドマーケティング
- マーケティング用語集 アフィリエイト
- マーケティング用語集 マッシュアップ
- マーケティング用語集 ドロップシッピング
おすすめ新着記事
成長市場を探せ V字回復で2年連続過去最高更新の炭酸飲料(2024年)
炭酸飲料が伸びている。2020年はコロナ禍で前年割れとなったが、翌21年にはコロナ前の水準に迫り、22年、23年と2年連続で過去最高を更新した。
「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 「紅麹サプリ問題」認知率は86%! 消費者の健康食品選びに変化
コロナが明けて需要が戻った健康食品市場だったが、2024年3月に「紅麹サプリ問題」が起こった。そこで、健康食品の利用と、「紅麹サプリ問題」を受けて消費者の行動がどう変化したかを調査した。
消費者調査データ 茶飲料(2024年9月版) 抜群の強さ「お~いお茶」、大手3ブランドが熾烈な2位争い
2年連続のプラスとなった茶飲料市場の調査結果をみると、トップブランドの「お~いお茶」が全項目で首位、大手飲料メーカーの緑茶ブランド3点が熾烈な2位争いを繰り広げている。一方、再購入意向のランキングでは、麦茶ブランドが上位に入った。