
ベンチマーキングとは、ひとことでいえば「ベストに学ぶ」ということです。ベスト・プラクティス(経営や業務において、もっとも優れた実践方法)を探し出して、自社のやり方とのギャップを分析してそのギャップを埋めていくためにプロセス変革を進める、という経営管理手法です。現行のビジネス業務を測定し、それをベスト企業の業務と比較する継続的プロセスであり、数値評価を行うことで、判断に客観性をもたせ、社員に具体的な目標を与えることができます。
1990年代以降、米国企業が急速に業績を復活させた背景には、米国が国家戦略として技術開発を進めたという事実がありますが、企業が日本企業の手法をベンチマークとして学び、経営改善を図ったことも重要な要素です。たとえば、クライスラーは新車開発プロセスにリエンジニアリングを導入して大きな成果を上げましたが、その際、ゼネラル・エレクトリック(GE)や本田技研工業などの手法をベンチマークとして徹底的に学んでいます。また、米国でのベンチマーキング成功事例には物流業務にかかわるものが多く見られます。たとえば、ゼロックス社では、L.L.ビーンの倉庫内業務からベスト・プラクティスを探究することにより大幅なコストダウンを実現しています。
ベンチマーキングで用いられている「ベスト・プラクティス」の考え方は、実は日本では古くから取り入れられています。たとえば、トヨタ自動車のカンバン方式は米国のスーパーマーケットからヒントを得ていますし、また、日本の生産現場改善手法として定着しているTQCは、数値で実態を把握することにより改善の方向、効果の把握を行っています。
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