ダイレクトマーケティングとは、消費者とのコミュニケーションを図る双方向マーケティング・システムです。
ダイレクトメールとカタログ販売にルーツがあり、テレマーケティングや、テレビ・ホーム・ショッピング、オンライン・ショッピングがこれにあたります。企業は郵便、電話、FAX、電子メール、インターネットなどの広告媒体を単一もしくは複数使って顧客や見込み客にアプローチします。そして商品に対する顧客の反応を見ながら経営戦略の分析をします。顧客一人当たりからの収益を最大化するのが目的です。一般的にダイレクトマーケティングが盛んな業種には通信販売、クレジットカード業、美容院などがあります。
このような研究が進んだ背景にはfMRI(核磁気共鳴計測)・NIRS(近赤外線分光法)・MEG(脳磁図)など被験者に損傷を与えない脳の活動計測技術、診断装置の発展があります。
特定個人を対象としないマスマーケティングでは、企業はたとえば100人のターゲットに対し一種類のマーケティング活動を行います。対象は平均的な顧客で、標準的製品を大量生産し、企業から消費者へ向けた一方向のメッセージをテレビ、ラジオ、新聞、雑誌などを通して流します。これに対してダイレクトマーケティングでは、企業は100人のターゲットに対して100種類のマーケティング活動を行います。見込み客一人一人に焦点をあわせ、顧客と双方向のコミュニケーションを行います。ここから情報を得て、カスタマイズしたメッセージや商品を提供します。マスマーケティングとは違い、自社のサービスや商品を望んでいない人に対してのアプローチはせず、自社のサービスや商品に興味を持っている顧客を選んでアプローチを行います。取引業者を介さないため、より効果的に消費者ニーズを収集することができます。このように密なコミュニケーションが行われることで、顧客が離れていくことを防ぐことにもなり、企業側は高い確率でファンやリピーターを得ることができます。そのために、少ない顧客でも多くの収益が期待できます。また、かかった広告費用に対して、どれだけの効果があったのかを正確に検証することができます。
参照コンテンツ
- アフターコロナの営業戦略 激変市場に対応した小商圏型営業活動のすすめ(2021年)
- MNEXT 眼のつけどころ コロナ禍の訪問営業は時代遅れなのか?―「会うのが、いちばん。」(2021年)
- シリーズ 営業現場の科学
- MNEXT 眼のつけどころ 市場脱皮期の富裕層開拓マーケティング―価格差別化戦略(2021年)
- 戦略ケース ピンチはチャンス!コロナ禍の中堅企業の営業スタイル ダイレクトマーケティングに転換せよ(2020年)
関連用語
おすすめ新着記事

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 清貧・ゆとり世代が消費を牽引!賞与の使い道は?
近年賃金上昇の流れが広がるなかで、今年の消費を占う意味でも冬季賞与への関心が高まっていた。そこで、冬季賞与がどのように使われているか、「103万円の壁」の問題がどの程度関心を持たれているかを調査した。

消費者調査データ スナック菓子(2025年2月版) 経験率7割超、カルビー「ポテトチップス」の人気揺るがず
2桁成長のスナック市場。調査結果をみると、カルビーのポテトチップスが全項目で首位と王者の貫禄をみせた。

消費者調査データ チョコレート 首位「明治チョコレート」は変わらずも、PBのリピート意向高まる
調査結果をみると、「明治チョコレート」が複数項目で首位を獲得、強さをみせたものの、「カカオショック」とまでいわれる原材料価格の高騰などによる相次ぐ値上げを背景に、再購入意向ではPBが上位に食い込んだ。



