VMSとは「Vertical Marketing System」の頭文字を取ったもので、「垂直的マーケティングシステム」のことです。一般的に流通経路は個々の生産者、卸売業者、小売業者で構成されていますが、VMSは、生産から、卸売、小売までの各段階が統合された流通経路を指します。川上産業(生産)から川下産業(小売)までを統合することから「垂直的」と表現します。
VMSには各チャネルを一連のシステムとして統合し管理する者、つまりチャネル・キャプテンが存在するという特徴を持ちます。そして、チャネル構成員間の結びつきの強さから、企業型VMS、契約型VMS、管理型VMSの3タイプに分けることができます。
- 企業型VMS
企業型VMSは生産から小売までの一連の流通全てを自社でやることを指します。自社のみでの活動なので、各流通段階を高い水準でコントロールすることができます。三つの内で最も構成員との結びつきが強いタイプです。 - 管理型VMS
管理型VMSは、あるチャネルリーダーの下に協力企業が集まり、一連の流通段階において協力・調整するシステムのことです。シェアが高いブランド、強いブランドを持っている企業がチャネルリーダーになることが多く、比較的チャネルリーダーによるコントロールが及びます。 - 契約型VMS
契約型VMSはフランチャイズ契約やボランタリー・チェーンなどに代表されるように、独立した企業同士が契約によって結びつくことによって、単独では達成できない販売効果・経済効率を達成しようとするシステムのことです。
仮に、VMSを採用するとしても、自社の持つ製品・ブランドの特性や競争環境などによって、採るべき、或いは、採ることのできるVMSのタイプを検討する必要があります。
参照コンテンツ
おすすめ新着記事
成長市場を探せ ビスケット市場、4年連続プラスで初の4,000億超えに(2024年)
緩やかに増減を繰り返してきたビスケット市場が伸びている。2020年から4年連続プラスで、2023年はついに4,000億円を超えた。コロナ下でも堅調な動きを見せ、2023年の販売金額は4,260億円で、コロナ前の2019年比で1.13倍となった。
消費者調査データ ノンアルコール飲料 首位は「ドライゼロ」、追う「オールフリー」「のんある気分」
2022年のノンアルコール飲料市場は8年連続で拡大を続け、過去最高と推定される。調査結果をみると、ビールテイストの「アサヒ ドライゼロ」が、全項目で首位を獲得したが、再購入意向ではカクテルテイストやワインテイストなどのブランドも上位に複数ランクイン、ノンアルコール飲料の幅の広がりを示している。
「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 20代男性の内食志向にマッチして伸びる冷凍餃子
数ある冷凍食品の中で圧倒的1位の生産量を誇る冷凍餃子は誰がなぜどのように購入しているのか調べてみた。餃子の選好度、購入頻度、購入増減とも20代が他の年代に比べて高く、冷凍餃子は若い年代が牽引して、拡大してきていることがわかった。