カニバリゼーション(cannibalization)とは、自社の商品が自社の他の商品を侵食してしまう「共食い」現象のことをいいます。カニバリゼーションには本来「人食い・共食い」という意味があります。
新商品の導入による既存商品の売上減少、売場でのフェース展開の行き過ぎによる自社商品の売上減少、新規チャネルによる既存チャネルの侵食などがあげられます。
既にカニバリゼーションが発生している場合には、商品ラインを見直し拡大を抑制する、商品の違いを顧客に認識させるといったことが必要になります。
新たに商品を導入する場合には、既存の商品とは異なるチャネルで展開する、異なるターゲットを狙うといったことが必要になります。
競合企業のカニバリゼーションを創出することで、自社の市場シェアを拡大させることも考えられます。
市場シェアの高いリーダー企業に対して、その企業の主力商品・事業と共食い現象を起こさせるような商品の発売・事業への参入を仕掛け、その商品カテゴリー拡大の可能性があるにも関わらずカニバリゼーションを危惧するリーダー企業に参入への早期判断を鈍らせることで、シェアを奪取していくという戦略です。
無料の会員登録をするだけで、
最新の戦略ケースや豊富で鮮度あるコンテンツを見ることができます。
参照コンテンツ
- 戦略ケース スイーツ市場を取り込んで快進撃を続けるハーゲンダッツドルチェ(2007年)
- 戦略ケース ホームデポ 米国最強小売業のeリテイル戦略(2000年)
- 戦略ケース 日本マクドナルド株式会社 「外食マーケット5%奪取に向けたエリア戦略」(1999年)
関連用語
おすすめ新着記事
MNEXT 円安は歓迎すべきかー過熱する円安論争
円安歓迎論と是正論の論戦が燃え上がっている。消費動向に一家言ある者として、再び、消費には過剰な円安は害あって一利なし、景気にもよくないという立場だ。少々、交通整理をして、論理を検証してみよう。
MNEXT コロナ禍の前中後の内食もどりはあったのか? -食欲望の現在-
コロナ禍前と後では、食トレンドが変化している。「コロナ禍で内食が増えているはず」という予想に反して、手作り内食は減少し、レトルト商品などを活用した「加工内食」が漸増している。その理由は内食のコストベネフィット構造が変わったことにありそうだ。
提言論文 値上げほどの値打ち(価値)はない ー 消費者の主要30ブランド価値ランキング
ブランド価値とは何か。どんなブランドの価値が大きいのか。どうすればブランド価値を高めることができるのか。日本の主な30ブランドのブランド価値を消費者調査によるWTP(Willingness To Pay)測定をベースにランキングしてみた。
おすすめ新着記事
成長市場を探せ V字回復で2年連続過去最高更新の炭酸飲料(2024年)
炭酸飲料が伸びている。2020年はコロナ禍で前年割れとなったが、翌21年にはコロナ前の水準に迫り、22年、23年と2年連続で過去最高を更新した。
「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 「紅麹サプリ問題」認知率は86%! 消費者の健康食品選びに変化
コロナが明けて需要が戻った健康食品市場だったが、2024年3月に「紅麹サプリ問題」が起こった。そこで、健康食品の利用と、「紅麹サプリ問題」を受けて消費者の行動がどう変化したかを調査した。
消費者調査データ 茶飲料(2024年9月版) 抜群の強さ「お~いお茶」、大手3ブランドが熾烈な2位争い
2年連続のプラスとなった茶飲料市場の調査結果をみると、トップブランドの「お~いお茶」が全項目で首位、大手飲料メーカーの緑茶ブランド3点が熾烈な2位争いを繰り広げている。一方、再購入意向のランキングでは、麦茶ブランドが上位に入った。