プロクター&ギャンブルの2020年6月期連結決算は、売上高709億5,000万ドル(前年比4.8%増)、営業利益157億600万ドル(同186.2%増)、純利益は131億300万ドル(同230..4%増)と、増収増益となった。売上高の増加は、ヘルスケア(前年比10%増)とファブリック&ホームケア(同8%増)の成長に起因する。新型コロナウイルス感染症(Covid-19)の感染拡大に伴い、消費者の衛生への意識が高まり、家庭用掃除・洗剤などの日用品の売上増加が業績を押し上げた。営業利益の増加は、カミソリ事業関連の減損費用83億円を計上したことと、売上高及び営業利益率の増加による。また純利益の大幅増は、前述の項目と当連結会計年度の実効税率における削減、さらにPGTヘルスケアパートナーシップの解散とその他の小規模な事業分離による利益の相殺によるものである。Covid-19のパンデミックの中で、多くの企業がマーケティング費用を削減する中、同社はブランドとそのメリットを消費者に喚起させる時期ととらえ、需要創出に注力した。Covid-19に一層適応していくために、今後はローコストかつ生産の最大化を図り、機敏に対応していく方針であり、引き続き成長を見込む。第2四半期決算発表時(2021年1月)には、清掃関連商品の需要が引き続き堅調なことを受け、2021年6月通期の売上高見通しを前期比5~6%増(当初予想は1~3%増)に引き上げた。
参照コンテンツ
- 戦略ケース 「レイザー&ブレードモデル」(ジレットモデル)による成長とP&Gによる再生(2015年)
- 戦略ケース 「花王」 × 「P&G」 取引条件透明化で値下げ圧力克服(2007年)
- 戦略ケース P&Gが挑む超・高収益へのシフト戦略(2005年)
- 戦略ケース P&Gの新しいカテゴリーマネジメント(2004年)
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