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(2005.04)
P&Gが挑む超・高収益へのシフト戦略
戦略分析チーム 村田多恵子



 05年1月28日、P&G(プロクター・アンド・ギャンブル)が、ジレットの買収を発表した。買収総額約570億ドル(約6兆円)というスケールの大きさが注目を集めた。この発表とほぼ同時期に"Welcome to Procter & Gadget"(Business Week 2005.2.7)というタイトルの特集記事が掲載された(Gadgetとは直訳すると便利な小道具という意味)。P&Gのジレット買収は、 異なるビジネスの融合によって高成長、高収益を目指す、メーカーの新たな戦略として注目できる。Gadgetアプローチと言われるP&Gの新たな戦略についてみていくことにする。

1.巨大メーカーの誕生
 P&Gのジレット買収により、単純計算で米国に売上高618億ドル(約6.5兆円)にのぼる世界最大の日用品トイレタリーを中核としたメーカーが誕生することになる。
 P&Gは、「タイド」「アリエール」など売上が10億ドルを超えるブランドを16擁する日用品のトップメーカーである。その規模は、2004年6月通期連結売上514億ドル(約5.4兆円)、営業利益98億ドル(約1兆円)であり、売上、利益ともに前年比二桁成長を果たす世界の超優良企業である。
 
図表1.各社の業績
 一方のジレットは、電気シェーバーの「ブラウン」、電動歯ブラシ「ブラウンオーラルB」、電池の「デュラセル」を傘下に持つ。2004年12月通期連結売上は105億ドル(約1.1兆円)営業利益25億ドル(約2600億円)、P&G同様、売上、利益ともに対前年二桁成長している。売上高はP&Gの五分の一だが、収益性はP&Gよりも高い(図表1)。日本における日用品トイレタリートップメーカー花王と比べると、P&Gとジレットの成長性、収益性の高さが確認できる。

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