カルビーの2018年3月期の連結決算は、売上高2,515億円(前年比0.3%減)、営業利益268億円(同6.9%減)と減収減益となった。国内事業では、2016年夏、北海道の台風被害によるじゃがいも不足によってポテトチップスの生産・販売調整を行ったものの、じゃがいもの収穫期には販売を再開、47都道府県別の味のポテトチップスを販売するなど市場回復に努めてきた。海外事業においては、主力地域の北米における売上安定化と原価改善の遅れにより、利益面に大きな影響を与えた。またスペインでは、豆系スナックの売上の伸びが期待できないことから販売子会社を清算した。一方で、前期新規参入したインドネシアでは販路拡大や積極的な販促活動に努めた。また、中国シリアル市場への本格参入に向け、北海道工場内に「フルグラ」製造ラインを新設・稼働開始し第二四半期から香港の連結子会社で販売を開始した。更に、中国市場でのフルグラ事業拡大のために京都内にも製造ラインの建設を開始し、中国国内でのEコマース販売のためのカルビー(杭州)食品有限公司を設立するなどの政策を進めた。結果、国内事業では販売費のコントロール等のコスト・リダクションに努めたものの、海外事業では、は主力地域の北米の売上が減少したことに加えて、稼働低下による原価率の上昇や販売費の増加等のコスト悪化により、売上高・営業利益ともに減少となった。
参照コンテンツ
- 戦略ケース マスターブランドを陳腐化させない ブラックサンダーのブランドづくり(2018年)
- 戦略ケース カルビー 顧客接点のリ・デザインによるイノベーション~右肩上がりの業績を支えるマーケティング~(2014年)
- 消費者調査データ スナック菓子(2017年9月版) 上位独占のカルビー、特需のカール
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第90号 ロングセラーブランドの現在と受容層を探る
競合他社の業績と比較分析する
おすすめ新着記事
成長市場を探せ ビスケット市場、4年連続プラスで初の4,000億超えに(2024年)
緩やかに増減を繰り返してきたビスケット市場が伸びている。2020年から4年連続プラスで、2023年はついに4,000億円を超えた。コロナ下でも堅調な動きを見せ、2023年の販売金額は4,260億円で、コロナ前の2019年比で1.13倍となった。
消費者調査データ ノンアルコール飲料 首位は「ドライゼロ」、追う「オールフリー」「のんある気分」
2022年のノンアルコール飲料市場は8年連続で拡大を続け、過去最高と推定される。調査結果をみると、ビールテイストの「アサヒ ドライゼロ」が、全項目で首位を獲得したが、再購入意向ではカクテルテイストやワインテイストなどのブランドも上位に複数ランクイン、ノンアルコール飲料の幅の広がりを示している。
「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 20代男性の内食志向にマッチして伸びる冷凍餃子
数ある冷凍食品の中で圧倒的1位の生産量を誇る冷凍餃子は誰がなぜどのように購入しているのか調べてみた。餃子の選好度、購入頻度、購入増減とも20代が他の年代に比べて高く、冷凍餃子は若い年代が牽引して、拡大してきていることがわかった。