支出全般の伸びは名目と実質でともにプラスが続いている。消費回復のすそ野も広がりつつある。
日常生活財はプラスを保っているが、耐久財では引き続き好不調の格差が鮮明である。
雇用環境は現状維持、収入環境は良好さを保ち、マインドでは改善の動きがみられる。
物価の伸びは鈍化傾向にあり、食品で際立っていた物価上昇の悪影響も緩和されつつある。
マーケットでは株価は上昇から低下に転じ、為替は円高へ反転し加速している。上昇を続けてきた長期金利は足許で一旦低下しているが、インフレ期待や金利上昇予想は一層強まっている。
今回の衆院選での主要政党共通の公約として消費税減税が掲げられ、「物価上昇を上回る賃上げ」実現が春闘での焦点となっている。今後期待される消費税減税と賃上げの動きが、消費回復を更に後押ししていくはずだ。
JMR消費INDEXは2025年11月時点で、前月より若干低下している(図表1)。
INDEXを構成する個々の変数の動きをみると、支出関連では3指標中、消費支出は9か月連続、平均消費性向は13ヶ月連続で改善している。雇用関連の2指標は、2025年6月以降悪化が続いている(図表2)。
販売関連では、2025年11月は、(チェーンストア売上高を除いた)全10指標中、改善が7指標、悪化が3指標となり、引き続き改善の側が優勢であった。ただし2025年12月は、公表済みの8指標を見ると、改善が2指標、悪化が6指標となり、悪化の側が優勢となっている(図表2)。
消費支出の伸びは名目と実質ともにプラスが続いている(図表4)。
10大費目別では、2025年11月は、名目と実質の双方で改善の側が圧倒的に優勢である(図表5)。
特に食料では、長く続いてきた名目プラス・実質マイナスの状況から、2025年11月には名目と実質ともにプラスへと転じており、物価上昇の悪影響は緩和されつつある(図表5)。
物価の動きに着目すると、輸入物価の伸びはマイナスが続いてきた状況から、2025年12月にはゼロへと上昇している。他方、国内企業物価と消費者物価の伸びは緩やかなプラスが続いているが、伸びの値は低下傾向にある(図表6)。
財・サービス別に消費者物価の伸びの推移をみると、2025年12月は総合、財、サービスいずれの伸びも低下しており、とりわけ財の伸びの低下が際立っている(図表7)。
販売現場では、小売業の売上は全体でプラスが続き、主なチャネル別でも2ヶ月連続で6つのチャネルすべてがプラスとなっている(図表11、図表12)。
外食売上も、全体でも主要3業態でも揃って、息長くプラスを保っている(図表20)。
耐久財では、新車販売は2025年12月時点で、乗用車(普通+小型)はマイナスが続いているが、軽乗用車はプラスに戻している(図表13)
家電製品出荷について、黒物家電は3品目中、4K対応薄型テレビはプラスだが残り2品目はマイナスである。白物家電は4品目中、ルームエアコンはプラスだが残り3品目はマイナスである。情報家電では、ノートPCはプラスが続いているが、スマートフォンは再びマイナス転じている(図表14、図表15、図表16)。
新設住宅着工戸数は2025年11月時点で、全体では再びマイナスに転じた。利用関係別では、分譲住宅・一戸建てはプラスだが持家と分譲住宅・マンションはマイナスである(図表17)。
地域別の分譲住宅・マンションの伸びは、中部圏と近畿圏でプラスだが、首都圏とその他の地域ではマイナスである(図表19)。
消費を取り巻く環境条件をみると、雇用環境について、有効求人倍率と失業率はともに横ばいとなっている(図表8)。
収入については、現金給与総額、所定内給与額、超過給与額ともにプラスが続いている(図表9)。
消費マインドについては、消費者態度指数は横ばいに対し、景気ウォッチャー現状判断DIは2025年12月には再び上昇の動きをみせている(図表10)。
マーケットの動きとして、まず円ドル為替レートと日経平均株価の推移をみると、為替は2025年12月中旬頃以降、若干の上下動を伴いつつ円安傾向で推移してきたが、2026年1月23日には終値で1ドル155円71銭を付け円高へと反転している(図表21)。その後も円高の動きが進み、1月27日の終値は1ドル152円19銭となっている。
株価は10月31日以降乱高下が続いていたが、2025年12月半ば頃を境に再び上昇基調に転じた。年明けの2026年1月14日に終値で54,341円23銭を付けたのをピークに、その後は若干の上下動を伴いつつ低下傾向で推移している(図表21)。
日米の長期金利の推移をみると、米国債10年物金利は2025年12月に入り横ばい傾向で推移の後、12月末頃より上昇傾向となったが、2026年1月20日に終値で4.295%を付けたのを境に低下傾向へと転じている。日本国債10年物金利は2025年12月19日に2%台に乗せて以降も上昇のペースは加速し、2026年1月20日には終値で2.330%となったが、その後は低下傾向に転じている。日米金利差は縮小を続けており、2026年1月14日以降は2%を割り込み1.9%台での推移が続いている(図表22)。
日本国債のイールドカーブの変遷をみると、2025年8月5日の位置以降、左上方へのシフトの動きが続いている。特に2025年12月4日以降は、ピークとなった2026年1月20日にかけて、2ヶ月にも満たない間にこれまでにない大幅なシフトをみせている。残存期間1年から10年にかけてのイールドカーブの傾きも、2026年1月20日時点ではこれまでよりも一層急なものとなっている(図表23)。
総合すると、消費は回復の動きが続いている。
支出全般の伸びは、名目と実質でともにプラスが続いている。消費回復のすそ野も、名目と実質の両面で広がりつつある。
日常生活財はプラスを保っているが、耐久財では引き続き好不調の格差がみられる。
雇用環境は現状維持で推移している。収入環境は良好さを保ち続けており、マインドでは改善の動きがみられる。
物価の伸びは鈍化傾向にあり、特に食品で際立っていた物価上昇の悪影響も緩和されつつある。
マーケットでは2026年1月に入り、株価は上昇から低下に転じ、為替は円安から円高へ反転後、円高の動きが加速している。日本の長期金利は2%を超え更なる上昇を続けてきたが、足許では一旦低下に転じている。日本国債のイールドカーブは、左上方へのシフトの動きが加速している。イールドカーブの傾きは時間とともに更に急になっており、インフレ期待や金利上昇予想もより一層強まっている。
高市首相による年明け通常国会冒頭での解散により、2月8日の投開票に向けた衆院選の選挙戦が始まった。主な政党の公約として、共通して消費税減税が掲げられている。また、今年の春闘では、「物価上昇を上回る賃上げ」の実現が焦点となっている。今後期待される消費税減税と賃上げの動きが、消費回復を更に後押ししていくはずだ。








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