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公開日:2025年12月09日

月例消費レポート 2025年11月号
消費回復が持続 - 実質収入のプラス反転に向け迅速な政策対応を
主任研究員 菅野 守

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 支出全般の伸びは名目と実質でともにプラスが続いている。

 日常生活財はプラスを保っているが、耐久財では好不調の格差がみられる。

 雇用環境は方向感が定まらないが、収入環境は良好さを保ち、マインドも改善が続いている。

 物価の伸びは横ばい傾向にあるが、物価上昇の消費への悪影響は食料で長期化している。

 マーケットでは円安・株高の流れが止まる一方、長期金利の上昇ペースが加速し、インフレ期待や金利上昇予想は一層強まっている。

 収入環境とマインドの改善が持続している間に、高市政権による経済政策を迅速に進めていき、実質収入のプラス反転につなげていくことが、消費の更なる成長に必要不可欠となる。

 2025年9月のJMR消費INDEXは前月から微増している(図表1)。

 INDEXを構成する個々の変数の動きをみると、支出関連では3指標中、消費支出と平均消費性向は改善が続き、預貯金も2025年10月には3ヶ月ぶりに消費の改善に寄与している。他方、雇用関連の2指標は、月間所定外労働時間と有効求人倍率ともに2025年6月以降悪化が続いている(図表2)。

 消費支出の伸びは7ヶ月連続で名目と実質ともにプラスとなっている(図表4)。

 10大費目別では、2025年10月は、名目では10費目中プラスが6費目となり改善の側が優勢であるが、実質では10費目中マイナスが7費目となり悪化の側が優勢となっている(図表5)。
 名目と実質の伸びの差をみると、2025年10月も食料は+6.3%と突出して高い。食料では名目がプラスで実質がマイナスの状況が続き、物価上昇の悪影響が長期化している(図表5)。

 物価の動きに着目すると、輸入物価の伸びは引き続きマイナスとなっている。国内企業物価と消費者物価の伸びは緩やかなプラスが続いている(図表6)。

 財・サービス別に消費者物価の伸びの推移をみると、2025年10月は総合とサービスの伸びはわずかに上昇したが、財の伸びはわずかに低下している(図表7)。

 販売現場では、小売業全体の売上はプラスが続いている。主なチャネル別でも、6つのチャネルすべてでプラスとなっている(図表11図表12)。

 外食売上も、全体でも主要3業態でも揃って、息長くプラスを保っている(図表20)。

 耐久財では、新車販売は2025年11月時点で、乗用車(普通+小型)と軽乗用車ともにマイナスとなった(図表13

 家電製品出荷について、2025年10月時点では、黒物家電は3品目中2品目でマイナスであるのに対し、白物家電は4品目中3品目がプラスである。情報家電では、ノートPCはプラスが続く一方、スマートフォンはマイナスが続いている(図表14図表15図表16)。

 新設住宅着工戸数は、全体では2025年10月にプラスに転じた。利用関係別では、持家でマイナスが続いているが、分譲住宅・一戸建てと分譲住宅・マンションはプラスに転じている(図表17)。

 特に、分譲住宅・マンションは2025年10月に、首都圏、中部圏、近畿圏、その他、の4つの地域全てでプラスとなっている(図表19)。

 消費を取り巻く環境条件をみると、雇用環境について、2025年10月時点で有効求人倍率は悪化したが、失業率は横ばいとなっている(図表8)。

 収入については、現金給与総額、所定内給与額、超過給与額ともにプラスが続いている(図表9)。

 消費マインドについては、景気ウォッチャー現状判断DIと消費者態度指数はともに上昇を続けている(図表10)。

 マーケットの動きとして、まず円ドル為替レートと日経平均株価の推移をみると、為替は2025年10月に入ってからも円安傾向で推移してきたが、11月半ば頃を境に円高傾向へと反転している。株価も10月に入ってからも上昇を続けてきたが、10月31日に終値で5万2,411円34銭を付けたのをピークに、その後は乱高下が続いている(図表21)。

 日米の長期金利の推移をみると、米国債10年物金利は、5月21日に終値で4.595%を付けて以降、若干の上下動を伴いつつ低下傾向で推移している。日本国債10年物金利は極めて緩やかな上昇傾向で推移しており、10月半ば頃以降は上昇のペースが加速し2%目前の水準にまで達している。日米金利差も縮小を続け、直近では2.2%前後となっている(図表22)。

 日本国債のイールドカーブの変遷をみると、2025年7月1日の位置から若干の上下動を経て、2025年12月4日には左上方へと大きくシフトし、イールドカーブの傾きもよりきつくなっている(図表23)。



 総合すると、消費は回復の動きが続いている。
 支出全般の伸びは、名目と実質でともにプラスが続いている。
 日常生活財はプラスを保っているが、耐久財では好不調の格差がみられる。
 雇用環境は方向感が定まらないが、収入環境は良好さを保ち、マインドも改善が続いている。
 物価の伸びは概ね横ばい傾向にある。ただし、物価上昇による消費への悪影響は食料で際立ち、長期化している。
 マーケットでは長く続いてきた円安・株高の流れが止まり、円高に反転するとともに、株価は乱高下している。日本の長期金利は上昇傾向が続き、足許では上昇ペースも加速している。日本国債のイールドカーブは左上方へ大きくシフトするとともに、その傾きもきつくなっており、インフレ期待や金利上昇予想は足許で一層強まっている。
 収入環境とマインドの改善が持続している間に高市政権による経済政策を迅速に進めていき、実質収入のプラス反転につなげていくことが、消費の更なる成長には必要不可欠となるだろう。


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