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TiVoを斬る!
全米で300万世帯が加入したサービス、TiVoが日本に上陸する
消費研究チーム

 シリーズ オタクが斬る!
 第1回 5人のオタク、あらわる
 第2回 Tivoを斬る 全米で300万世帯が加入したサービスが日本に上陸する
 第3回 VAIO TypeXを斬る 本当の訴求ポイントは、別のところにある!



1.アメリカの番組視聴スタイルを根本から変えてしまったTiVo
 TiVo(https://www.tivo.com/)は、「『見たいものを見たいときに見る』を月々13ドルで実現」を売りに、テレビ番組の自動録画サービスを提供している。全米の18,000チャンネルに及ぶ番組の中から、見たい番組を専用HDDレコーダー(別売)に録りためしてくれるだけではなく、キーワードでの録画やインターネットを介した番組録画が可能である(「激震! TiVo(TiVo)日本参入」 参照)。
 弊社がTiVoに注目する理由はふたつある。テレビ番組自動録画サービスは、拡大が確実視される「ストック型視聴」に最も適しているため、その動向が今後の視聴スタイルに影響を及ぼす可能性があることと、TiVoのサービスはハードウェアとサービスが融合したビジネスモデルであり、日本の情報家電メーカーが提供するサービスとは全く異なることからである。

 膨大なチャンネルの中から好みの番組を見つけ出し、自動的に録画してくれるサービスはアメリカで大ヒットし、現在300万世帯が加入している。そして、その勢いを駆って日本に上陸しようとしている。果たしてTiVoは日本で成功を収めることができるだろうか。情報家電の先進的利用者層でもあり、高水準のストック型視聴者層でもある、5名の「オタク」の評価から、その答えが見えてくる。

2.低コストで利用できるTiVo、四つのサービス
 ここで、TiVoについて再確認しておこう。TiVoはハードウェアとサービスが一体となって提供される。サービス利用料は、利用権レンタルの場合は、ハードウェア1台につき月額12.95ドルで、利用権買取の場合は、1台分一括払いで299ドルである。ハードウェアは内蔵HDDサイズによって3種類。40時間録画可能な40GBHDD搭載モデル(99.99ドル)から最大120時間録画可能な120GBHDD搭載モデルまでが用意されている。ハードウェアはソニーやフィリップス、東芝、パイオニアによるOEMである。
 録画した番組にユーザーが評価を与えることで、TiVoはユーザーの好みを解析し、そのユーザーの好みにあった番組を選択するよう学習する。
 メインとして提供されているサービスは四つである(図表1.Tivoのコンセプト)。

図表1.Tivoのコンセプト


「Wish List録画」:キーワードを入力すると、それにマッチする好みの番組を検索し録画してくれる。
「Season Pass録画」:ドラマなど、シリーズものの番組を初回から最終回まで正確に録画してくれる。
「オンラインスケジュール」:職場や外出先から、インターネット経由で予約録画ができる。
「TiVo To Go」:録画したコンテンツを、他のPCに転送してくれる。

 その他、別の部屋からTiVoに録画された番組を見たり、数千曲を聴けるデジタルミュージックプレーヤーの利用なども可能になっている。因みに、常に録りためておくことが前提のため電源ボタンはない。

3.全米300万世帯が加入したTiVoサービスは、本当に役に立つのか?
 その実力をオタクが細かくチェックする。

(1)Wish List録画:
   低評価のWish List録画。オタクが嫌うのはなぜ?
図2.Wish List録画
 タレントの名前や番組名などをキーワード入力することで、該当する番組を自動的に検索して録画してくれる。放送時間帯が急に変更になっても対応してくれる機能であるが、評価は意外に低い。

 オタクたちはそもそもキーワード検索を信用していない。
「必要ないものまで録画されてしまい、それをあとで消すのが面倒」(「ハード志向/使いこなし優先」派Aさん)
 見たい番組をこまめにチェックして録画するオタクにとって、Wish List録画は余計なサービスである。

 所有している機器で同じことができるから、という理由もある。
「コクーンにある機能はいらない」(「ハード志向/使いこなし優先」派Dさん)
「Wish List録画はコクーンそのもの」(「コンテンツ志向/視聴環境重視」派Cさん)
と総じて評価は低かった。


本稿は当社代表・松田久一、並びに、消費研究チームのメンバーからの貴重な助言のもとに執筆されました。ここに謝意を表します。あり得べき誤りは筆者の責に帰します。

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