
国内のエナジードリンク市場は、2005年に「レッドブル・エナジードリンク(以下「レッドブル」レッドブル・ジャパン)」の上陸を皮切りに、2012年に「モンスターエナジー(アサヒ飲料)」の販売開始などで拡大を続けてきたが、ここにきて成長はやや鈍化の傾向がみられる。
今回は、当社が任意に選んだエナジードリンク25ブランドについて、「知っている(認知率)」、「飲んだたことがある(飲用経験率)」、最近3ヶ月以内における「広告・記事(を見たことがある)」「店頭など(で見たことがある)での接触状況(3ヶ月内店頭接触)」、3ヶ月以内に買って飲んだ(3ヶ月内購入)」、さらに「今後(も)飲みたいと思う」(今後購入意向)と「購入経験者における今後の購入意向(再購入意向)」という7項目について、インターネットモニターに対して行った調査結果をランキング形式でお届けします。
今回の調査結果でも、前回(2016年8月版)と同様、「レッドブル」が首位、それを「モンスターエナジー」が追う構図となった。「レッドブル」は、7項目中再購入意向を除く6項目で首位を獲得、「モンスターエナジー」も同じく7項目中6項目で2位となった。3位グループには「RAIZIN(大正製薬)」「チョコラBBジョマ(エーザイ)」「バーンエナジードリンク(コカ・コーラ)」などが入ったが、上位2ブランドとの差は大きい。
再購入意向をみると、上位3ブランドの「チョコラBBジョマ」「バーンエナジードリンク」「モンスターカオス(アサヒ飲料)」は70%以上の高い再購入意向がみられた。しかし、いずれも母数(購入経験者)が20~30人前後であり、ロイヤリティの高いコアなユーザーはいるものの、そのボリュームは小さい。
一方、トップブランドである「レッドブル」の再購入意向は、51.7%である。購入経験率の14.3%、3ヶ月内購入率の5.1%と考え合わせるに、ユーザー層は限られているとみられる。
エナジードリンクのユーザー層はひとくくりに「若者」とみられているが、今回の調査では、「レッドブル」の購入経験率や3ヶ月内購入率、購入意向とも、最も高いのは30代だった(プレミアム会員専用クロス集計表参照)。一方の「モンスターエナジー」は、20代と30代の間に有意の差はない。これは、ブランドが上陸した時期(2005年と2012年)に「若者」だった層が離れることなくそのまま持ち上がっているからと思われる。ロイヤルユーザーの育成には成功したものの、新規ユーザー層の取り込みにはつながっていないともとれる。エナジードリンクが再度の成長軌道に乗るためには、ユーザー層の拡大が不可欠だ。それを可能にするのは「レッドブル」か「モンスターエナジー」か、それとも第3のブランドか。ポテンシャルを秘めた市場の行方が注目される。
ご利用には会員登録が必要です。
ご登録済みの方は、こちらから全文をご利用ください。
会員のご登録はこちらをご覧ください。
【提示25ブランド】
|
- 【調査設計】
- 調査手法:インターネットリサーチ
- 調査期間:2017年1月13日~17日
- 調査対象者:当社インターネットモニター 20歳~69歳
全国の男女個人
- 有効回収サンプル数:1,045サンプル
サンプル構成(%)
- 調査期間:2017年1月13日~17日
おすすめ新着記事

5G(第5世代移動通信システム)
5Gとは「第5世代移動通信システム(5th Generation)」のことで、通信規格の名称。現在の「4G」に続く最新の規格で、日本では2020年3月から商用化が開始された。4K/8Kの高精細映像などの大容量コンテンツの伝送や、自動運転や遠隔ロボットへの活用、IoTの普及などが期待されている。

テイクアウト、デリバリーで伸びる洋風ファーストフード
コロナ禍で外食全体が苦戦するなか、ハンバーガーチェーンなどの洋風ファーストフード業態は、コロナ前の2019年と比較しても116.2%と伸長している。原動力となったのは、感染症対策がしやすく、テレワークなど働き方・ライフスタイルの変化に伴うテイクアウトやデリバリーの拡大だ。原材料の値上がりや、健康意識、環境配慮意識の高まりなどの不安要素はあるものの、今後も成長が期待される業態だ。

広まるネットショッピング 特定層に留まるSNS購買とフリマアプリ
コロナ禍でオンラインショッピングの利用が増えている。利用チャネルもアマゾンや楽天だけにとどまらず、多様な買い方がされている。今回は、その中でもSNSを通じた購買やフリマアプリの利用に焦点を当て、今後の利用拡大の可能性を探ってみた。



