NECの2017年3月期の連結決算は、売上高2兆6,650億円(前年同期比5.7%減)、営業利益は418億円(同54.2%減)と、減収減益となった。パブリック事業では売上高の減少に加え、宇宙事業の採算性の悪化により営業利益が113億円減少、テレコムキャリア事業では円高の影響や注力領域への投資の増加などにより271億円の減益となった。ここ数年、業績が大幅に悪化しているが、2018年中期経営計画の中で、収益構造の立て直しを図っている。特に社会ソリューション事業に注力しており、安全・安心な都市・行政基盤、安全・高効率なライフラインの創造など、順調に事業を進め、概ね計画通りに進捗している。一方、中期経営計画では、成長軌道への回帰を課題として挙げているが、当初の想像以上に既存事業の落ち込みは激しく、このことが総合的な収益を押し下げる大きな要因となっている。2018年1月には「2020中期経営計画」を発表、事業ポートフォリオの改革や、グローバル化によって収益の向上を図るとともに、固定費の削減を含む抜本的な収益構造の改革に踏み切ろうとしている。将来の成長に向けて、現在はその布石期と捉えられるが、現在の施策が順調に進まなかった場合、さらに厳しい状況に陥る可能性も否定できない
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