コーセーの2023年12月期の連結決算は、売上高3,004億円(前年比3.9%増)、営業利益160億円(同27.7%減)、経常利益203億円(同28.7%減)となった。日本事業は同2ケタ成長し、北米を中心とした「タルト(TARTE)」は店舗数拡大や円安の影響もあり過去最高の売り上げを記録した。しかし中国事業及び中国・韓国のトラベルリテール部門における流通側の仕入れ抑制などが響き、増収減益となった。主力の化粧品事業は、売上高は前年比2.3%増の2,405億円、営業利益は同29.7%減の179億円となった。プレステージの主力ブランド「コスメデコルテ(DECORTE)」は、"リポソーム"を中心に日本で好調だったが、中国・韓国のトラベルリテール事業の苦戦や中国の景気回復の遅れ・福島処理水に伴う風評被害などが影響し、大幅な減収となった。中長期ビジョン「VISION2026」のPhase Ⅱの最終年度となる2024年度は、成長戦略として、ブランドのグローバル展開と、経営基盤の構築に取り組む。また大谷翔平選手のコスメデコルテへの起用により、ハイプレステージ領域の強化も引き続き力を入れていく。さらに現在、約3年に及ぶコロナ禍の影響により、国内外の事業環境が大きく変化したことを踏まえ、次期ビジョンの策定に取り組んでおり、2024年度中には開示する予定である。
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参照コンテンツ
- 戦略ケース アルビオンはいかにして"500億円の壁"を突破したか(2019年)
- 戦略ケース 銀座化粧品競争 銀座化粧品競争を制したのはルイ・ヴィトン・モエ・ヘネシーグループ(2001年)
- 戦略ケース 株式会社コーセー -個店の個性を生かすリニューアル提案(1992年)
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