ネスレの2022年12月期の連結決算は、引き続き厳しい環境の中、売上高944億スイスフラン(13兆210億円、前年比8.4%増)、営業利益132億スイスフラン(約1兆8,196億円、同8.5%増)の増収増益、実質的な成長率は8.3%だった。大幅なコスト上昇を反映して、価格は8.2%に上昇した。実質内部成長(RIG)は、供給制約、ポートフォリオ最適化措置を受けて0.1%のプラスとなった。先進国市場では、価格設定が牽引し、実質的な成長率は7.1%だった。新興市場では、価格設定とRIGの両方に支えられ、本業的成長率は10.0%だった。製品カテゴリー別では、ピュリナ ペットケアが最大の成長要因となり、特にECやペット専門店で勢いを示した結果、ペットケアは2桁成長となった。粉末・液体飲料は、ネスレ プロフェッショナルとスターバックスの家庭用製品の売上が2桁成長となり、一桁半ばの増収となった。栄養・ヘルスサイエンスでは、ベビーフードがブランドや地域を超えて支持され2桁成長、ヘルスサイエンスは医療栄養と健康老化製品が牽引し一桁半ばの成長となり、同カテゴリーでは2桁成長となった。2023年度は、粗利の回復、マーケティング投資の強化、フリー キャッシュ フローの増加に重点を置き、堅調な内部成長を目指す。
企業活動分析/戦略分析シートのご利用には有料の会員登録が必要です。
本コンテンツでは、企業の戦略や活動を当社独自のフレームに沿って時系列で整理しています。
各企業の決算情報やニュースリリースをチェックする手間をかけることなく、戦略や事業環境を素早く把握できます。競合比較や業界分析などに幅広くご活用ください。
現在、企業活動分析/戦略分析シートのサンプルを無料公開しています。無料会員への登録でダウンロードできますので、ぜひお試しください。
企業活動分析レポートのダウンロード
- バックナンバー

企業活動分析に関する基調論文
参照コンテンツ
- 戦略ケース コーヒーチェーン競争の行方 進む異業種とのボーダレス化(2018年)
- 戦略ケース 商品接点のリ・デザイン(2014年)
- 戦略ケース 勝者なきセルフ式コーヒーチェーン店の競争(2013年)
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第109号 チルドカップが誘うコーヒーの世界~若者中心に受容
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第100号 "脱コーヒー"で存在感増すペットボトルコーヒー
競合他社の業績と比較分析する
おすすめ新着記事

消費者調査データ No.397 シャンプー(2023年12月版) 「パンテーン」と「ラックス」、僅差の競り合い
コロナ禍によるインバウンド需要喪失からゆっくり立ち直りつつあるシャンプー市場。調査結果は「パンテーン」が複数項目で首位を獲得したが、2位の「ラックス」との差はごくわずかで競り合いが続いている。国内メーカーでは、独立系の専業メーカーが独自のコンセプトで高いリピート意向を獲得している。

成長市場を探せ 「巣ごもり」後も割安感で堅調な家庭用冷凍食品(2023年)
2022年の家庭用冷凍食品の生産量は、前年比100.8%となる80万5,000トンで、8年連続拡大、過去最高を更新。22年からの食品全般の値上げのなかで、簡便化志向や節約志向から利用が継続されているとみられている。

消費者調査データ レトルトカレー(2023年11月版) 首位は咖喱屋カレー、リピートされる調理対応カレー
コロナ禍以降、家族の食卓への浸透が一層進んだレトルトカレー。調査結果では、咖喱屋カレーがトップを堅持する一方、再購入意向では調理対応カレーやコスパに優れるPBが上位に。家族食としての定着を裏付ける結果となった。



