亀田製菓の2023年3月期の連結決算は、売上高950億円(前期比11.5%増)、営業利益36億円(同26.2%減)と増収減益であった。2022年度は国内米菓事業、海外事業、食品事業の三本柱の確立を目指す積極投資により、売上高は計画を上回る速度で事業拡大。一方で、営業利益は原材料高及び燃料高等、2021年度以降の環境変化に起因するコスト増で計画未達だった。国内米菓事業については、2021年度の火災によって操業を停止していた同業他社の販売再開によって業界における商品供給がほぼ正常化。「亀田の柿の種」や「ハッピーターン」において新商品の発売と各種プロモーションを連動させることで更なるブランド価値向上に取り組むとともに、「亀田のつまみの種」と「無限エビ」を次の柱にするべく育成強化にも取り組んだ。 原燃料高影響は続くものの、安定的な需要と製品改定により増収となった。海外事業については、アジアエリアの堅調な販売状況に円安影響が重なり、大幅な増収。一方、米国のMary's Gone Crackers, Inc.の経営環境悪化により赤字幅が拡大した。食品事業については、長期保存食の安定的需要と植物性乳酸菌の販路拡大により増益を確保。また、アレルゲン28品目不使用の米粉パンへの関心は、輸入小麦の価格高騰を受けて一層高まった。2023年度は、事業における価値創造と経営基盤の再構築を両輪で推進。国内米菓事業では価格から価値訴求へシフトし独自性を目指す競争戦略へ転換、海外事業では北米・アジアのトップライン成長を継続させ、セグメント黒字化へ転換、食品事業ではBetter For you食品拡大を通じた事業成長と安定化を図り、グローバル展開を順次開始する。
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