
「スローフード」は、アメリカの「ファーストフード」に対抗する運動として1980年代後半イタリアで生まれました。現在、運動の目的はファーストフードの弊害を排除し、さらにアメリカ型の24時間眠らない忙しいライフスタイルを拒否して、ゆっくりと食事を楽しむことのできる「スローライフ」を守るということにあります。さらにイタリアでは31の地方自治体が参加する「スローシティー」運動に発展しています。伝統的な街並みや地元産品と観光を売りにして経済の活性化に成功したといわれています。
2001年はイタリア年だったこともあり、日本にこの動きが紹介されて話題になりました。日本では「伝統的な食材を家で調理して家族とゆっくり食事する」という自然で伝統的な生活がよい、というような情緒的なコメントが多くみられました。その結果、新しいイタリアの田舎の魅力を伝えイタリアの観光産業に貢献したものと思われます。一方でBSE問題などにより食材の安全性への関心が強まったことがあり、生鮮品については産地の土、水などの風土や、生産者にその根拠を求め、地場産品がブランド化する「食」の新しい動きがみられています。
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