「スローフード」は、アメリカの「ファーストフード」に対抗する運動として1980年代後半イタリアで生まれました。現在、運動の目的はファーストフードの弊害を排除し、さらにアメリカ型の24時間眠らない忙しいライフスタイルを拒否して、ゆっくりと食事を楽しむことのできる「スローライフ」を守るということにあります。さらにイタリアでは31の地方自治体が参加する「スローシティー」運動に発展しています。伝統的な街並みや地元産品と観光を売りにして経済の活性化に成功したといわれています。
2001年はイタリア年だったこともあり、日本にこの動きが紹介されて話題になりました。日本では「伝統的な食材を家で調理して家族とゆっくり食事する」という自然で伝統的な生活がよい、というような情緒的なコメントが多くみられました。その結果、新しいイタリアの田舎の魅力を伝えイタリアの観光産業に貢献したものと思われます。一方でBSE問題などにより食材の安全性への関心が強まったことがあり、生鮮品については産地の土、水などの風土や、生産者にその根拠を求め、地場産品がブランド化する「食」の新しい動きがみられています。
参照コンテンツ
おすすめ新着記事
成長市場を探せ ビスケット市場、4年連続プラスで初の4,000億超えに(2024年)
緩やかに増減を繰り返してきたビスケット市場が伸びている。2020年から4年連続プラスで、2023年はついに4,000億円を超えた。コロナ下でも堅調な動きを見せ、2023年の販売金額は4,260億円で、コロナ前の2019年比で1.13倍となった。
消費者調査データ ノンアルコール飲料 首位は「ドライゼロ」、追う「オールフリー」「のんある気分」
2022年のノンアルコール飲料市場は8年連続で拡大を続け、過去最高と推定される。調査結果をみると、ビールテイストの「アサヒ ドライゼロ」が、全項目で首位を獲得したが、再購入意向ではカクテルテイストやワインテイストなどのブランドも上位に複数ランクイン、ノンアルコール飲料の幅の広がりを示している。
「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 20代男性の内食志向にマッチして伸びる冷凍餃子
数ある冷凍食品の中で圧倒的1位の生産量を誇る冷凍餃子は誰がなぜどのように購入しているのか調べてみた。餃子の選好度、購入頻度、購入増減とも20代が他の年代に比べて高く、冷凍餃子は若い年代が牽引して、拡大してきていることがわかった。