
消費の場は都市です。バブル期、東京を含む多くの都市は多様性を喪失しました。地価の上昇はさまざまな多様性を喪失させましたが、特に、東京においては、住宅地の地価を限りなく上昇させ、ビジネス地へと専用化させ、小規模経営の存立を不可能とし、分散配置計画による都市計画によって、都市の機能分散にさらに拍車をかけることになりました。その象徴が人口減少であり、特に夜間人口の激減です。多くの地方都市も同様な均一化が進みました。
地価の低下によって安価な住宅が提供されて、「住む」機能、「働く」機能、「消費(商業)」機能という生活者にとっての「職・住・商」三機能が特定地域において統合されてきました。日本橋・銀座、麻布・六本木、青山・渋谷、新宿などです。その結果都市の多様性が回復し人口再集中をもたらしています。
「職・住・商」近接による機能統合は、昼間人口と夜間人口を平準化させ、
あらゆる商業とビジネスの可能性を生み出します。人々の多様な時間帯での往来は、それを顧客としてねらう新しいビジネスを生み、小規模での存立を可能にします。この多様性が、人々に新しい就業機会を与え、選択の自由を拡大し、新しい便利さを提供します。その結果多様なライフスタイルが生まれ、「住・職・商」など機能のさらなる多様化を生み出します。
都市多様性とは、「人が人を呼ぶシステム」であり、「ニーズがニーズを生む」ことです。新たな都市多様性を生むためにも、企業の都市型市場への再マーケティグ投資が必要です。(MNEXT「外部性と日本経済の情況-長期不況への戦略的対応」より)
参照コンテンツ
おすすめ新着記事

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 清貧・ゆとり世代が消費を牽引!賞与の使い道は?
近年賃金上昇の流れが広がるなかで、今年の消費を占う意味でも冬季賞与への関心が高まっていた。そこで、冬季賞与がどのように使われているか、「103万円の壁」の問題がどの程度関心を持たれているかを調査した。

消費者調査データ スナック菓子(2025年2月版) 経験率7割超、カルビー「ポテトチップス」の人気揺るがず
2桁成長のスナック市場。調査結果をみると、カルビーのポテトチップスが全項目で首位と王者の貫禄をみせた。

消費者調査データ チョコレート 首位「明治チョコレート」は変わらずも、PBのリピート意向高まる
調査結果をみると、「明治チョコレート」が複数項目で首位を獲得、強さをみせたものの、「カカオショック」とまでいわれる原材料価格の高騰などによる相次ぐ値上げを背景に、再購入意向ではPBが上位に食い込んだ。



