
消費の場は都市です。バブル期、東京を含む多くの都市は多様性を喪失しました。地価の上昇はさまざまな多様性を喪失させましたが、特に、東京においては、住宅地の地価を限りなく上昇させ、ビジネス地へと専用化させ、小規模経営の存立を不可能とし、分散配置計画による都市計画によって、都市の機能分散にさらに拍車をかけることになりました。その象徴が人口減少であり、特に夜間人口の激減です。多くの地方都市も同様な均一化が進みました。
地価の低下によって安価な住宅が提供されて、「住む」機能、「働く」機能、「消費(商業)」機能という生活者にとっての「職・住・商」三機能が特定地域において統合されてきました。日本橋・銀座、麻布・六本木、青山・渋谷、新宿などです。その結果都市の多様性が回復し人口再集中をもたらしています。
「職・住・商」近接による機能統合は、昼間人口と夜間人口を平準化させ、
あらゆる商業とビジネスの可能性を生み出します。人々の多様な時間帯での往来は、それを顧客としてねらう新しいビジネスを生み、小規模での存立を可能にします。この多様性が、人々に新しい就業機会を与え、選択の自由を拡大し、新しい便利さを提供します。その結果多様なライフスタイルが生まれ、「住・職・商」など機能のさらなる多様化を生み出します。
都市多様性とは、「人が人を呼ぶシステム」であり、「ニーズがニーズを生む」ことです。新たな都市多様性を生むためにも、企業の都市型市場への再マーケティグ投資が必要です。(MNEXT「外部性と日本経済の情況-長期不況への戦略的対応」より)
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